白物家電なぜ絶好調? 上期出荷額、過去10年で最高…キーワードは「時短」

 白物家電が好調だ。平成29年度上期の出荷額は、過去10年で最高額となる1兆2721億円(前年同期比4・6%増)を記録。共働き世帯が増えてきたことを背景に家事の短時間化や省力化につながる家電への買い替え需要が増えており、スティック型掃除機や大型ドラム式洗濯機が市場を牽引(けんいん)する。

 ■「ドラム式」価格は倍近くても…

 日本電機工業会によると、上期の実績は過去10年ほぼ右肩上がりで推移。5半期連続で前年同期を上回った。直近の11月は前年同月比マイナスだったが、通年でも上期のトレンドにほぼ重なりそうだという。量販店のビックカメラ有楽町店(東京都千代田区)の売り場担当者は「楽に家事が片付き、手軽に扱える白物は特に絶好調だ」と話す。

 ドラム式洗濯乾燥機は衣類を入れた後の手間がかからず家事の短時間化に役立つ。パナソニックの容量10キロタイプの機種は洗剤の自動投入機能を備え「洗濯物を入れさえしておけば、乾燥まで済む。スマホでの遠隔操作ができ、帰宅後に衣類をたたむだけ」(ビックカメラ広報)だ。

 価格は、同じ容量の縦型洗濯機の倍近いが、「忙しい子育て世代に人気がある」(ビックカメラ有楽町店)。縦型洗濯機でも「週末にまとめ洗いができる」との理由から、必要な容量よりも一回り大きいサイズを求める消費者が目立ち、「時短」が重要なキーワードといえる。

 ■サッと取り出し、サッと終わる

 英ダイソンが火付け役とされるコードのないスティック型掃除機も好調だ。日立アプライアンスは10~12月の販売台数が計画比1・5倍に伸びたため、12月から増産態勢に入った。シャープも今夏に一時期、在庫不足に陥った。

 コードと車輪のあるキャニスター型に対し、「サッと取り出し、サッと掃除が終わるため利便性が高い」と(同)といい、大型洗濯機と同じく「時短」に役立つ。さらに、「最近では誰もいない日中の掃除をロボット掃除機に任せ、気になる部分だけスティック型で仕上げる“2台持ち”も増えている」という。

 厚生労働省のまとめでは、共働き世帯は昭和55年の614万世帯から平成28年には1129万世帯に増加。掃除・洗濯などの家事に費やす時間は1日当たり約105分に上るなど負担感が大きいとの調査結果もあり、電機各社からは今後も共働き世帯をターゲットにした時短家電の投入が相次ぎそうだ。(柳原一哉)