【2018 成長への展望】サッポロホールディングス社長・尾賀真城さん


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 □サッポロホールディングス社長・尾賀真城さん(59)

 ■酒税一本化を見据え主力ビール強化

 --昨年もビール類の国内市場は縮小した

 「昨年6月の酒の安売り規制強化だけでなく、夏場の天候にも恵まれなかった。また、お客さんの好みが多様化したことも大きい。よく“ビール離れ”といわれるが、お客さんは場面によって飲むお酒を分けている。ビールだけでなく、清酒も焼酎もワインもあり、酒類全体の市場が成熟してきた。メーカーとしてもビールはもちろんだが、RTD(缶酎ハイ)やワインといった商品も強化していく」

 --ビール類は今後、段階的に酒税が一本化される

 「(税率が下がる)ビールを強化していく。主力の『黒ラベル』と『エビス』という2つのブランドを、さらに盛り上げていきたい。酒税の一本化でビール需要の減少に歯止めがかかることに期待したい。一方、さらっとした味わいや低カロリーといった機能を支持するお客さんもいるため、第3のビールのブランドも残っていくだろう」

 --国内市場が縮小するなか、海外にも力を入れる

 「2017年夏に米国のクラフトビールメーカーであるアンカー・ブリューイング(カリフォルニア州)を買収した。ニューヨークを拠点とするビール販売子会社とカナダのビール製造販売会社の2社を含め、3社で北米市場を強化していく。北米市場は競争が激しい国内に比べて利益率が高く、北米3社で相乗効果を出していきたい」

 --アジアでもビール事業を強化している

 「例えばベトナムでは参入後、日本ブランドとしての認知度が高まっている。数量を追うのではなく、利益を重視して事業を展開していきたい。アジアは市場の伸び率が高い。ベトナムの工場を拠点にタイやシンガポールにも輸出している。韓国では主力の高価格帯ビール『エビス』を17年に投入した。韓国では輸入ビールの市場が伸びており、17年は同国での販売数量が既存ブランドも含めて対前年比で2倍に増えた」

 --飲料市場はビール以上に競争が激しい

 「確かにメーカー数も商品数も多く、商品の改廃も頻繁だ。競争の激しい飲料市場では、特徴のある商品をいかに作れるかが何より重要だ。17年は茶系飲料『加賀棒ほうじ茶』を発売し、好評だ」

 --本社に保育所を設置するなど、働き方改革にも積極的だ

 「フレックスタイムや在宅勤務など働きやすい制度を整備してきた。目的は仕事の密度を濃くして成果を上げることだ。時代に合わせた意識改革が必要だ」

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【プロフィル】尾賀真城

 おが・まさき 慶大法卒。1982年サッポロビール(現サッポロホールディングス)入社。取締役、サッポロビール社長などを経て、2017年1月から現職。東京都出身