【2018 成長への展望】野村HDグループCEO・永井浩二さん(58)


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 ■中国は個人向け、法人事業の両輪で

 --積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」にどう取り組む

 「デフレ脱却の兆しも見える中、長期累積型の投資を続けて一定の資産になるという体験をすれば、証券投資の魅力を感じる機会になるのではないか。若いときにつみたてNISAを始めれば、(非課税期間が過ぎたときには)収入が増えて支出が減る世代になっている。当社にとっては、10年後や20年後に向けた(顧客開拓の)設備投資で、目先の収益は考えていない」

 --2016年に出資した米アメリカン・センチュリー・インベストメンツ(ACI)との提携効果は

 「まず、金融商品や顧客層を相互補完できるという業務上の効果が挙げられる。事前に描いていたイメージで進んでいるが、お互いに協力できることはまだある。もう一つは、当社の収益面への寄与だ。ACIに対する当社の出資比率は約4割だが、出資後に米国の株式相場が活況を呈したという事情があるにせよ、配当も含めて想定以上に貢献している」

 --中国ビジネスへの本格参入を探っている

 「中国で間違いなく起きるのは、巨大な中間富裕層が生まれ、ものすごいビジネス機会になるということだ。当社は12年に中国委員会、13年にはアジア戦略室を新設し、14年には野村証券の副社長を中国担当に置くなど、万全の準備を進めてきた。中国では、個人向け営業と法人事業を車の両輪でやりたい。ただ個人向け営業は、中国全土に支店を展開していくのは難しく、資産運用ビジネスが中心になるのではないか」

 --今年の日経平均株価の見通しは

 「中長期的には適正価格にまとまっていくが、半年程度の時間軸で考えると投資家の需給に振り回される側面が強く、予測はしづらい。企業の1株当たり利益の予想と標準的な株価収益率を掛けると、2万4000~2万5000円を付けてもおかしくない。(主要国の金融緩和で)世界的にお金があふれている事情もある。ただ、為替相場が大きく変動しない、顕著な地政学リスクが発生しないといった前提条件が付く」

 --グループCEO就任から今年8月で6年がたつ

 「やろうと思ったこと、考えたことに対しては、まだ道半ばだ。20年に向けた長期経営ビジョンはあと2年残っているが、きちっとしたビジネス基盤を構築するためにそれなりの策を講じており、まずまず進展している。ただ、私の最大のミッション(任務)はその先にある。10年後や20年後に当社が隆々として存在し続けられるような手をいかに打っておくかだ」

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【プロフィル】永井浩二

 ながい・こうじ 中大法卒。1981年野村証券入社。2012年4月に同社の社長と親会社の野村ホールディングス(HD)の執行役員。同年8月から野村HDのグループCEO(最高経営責任者)。東京都出身。