王子、三菱製紙に33%出資 共同調達で経営効率化

記者会見する王子ホールディングスの矢嶋進社長(左)と三菱製紙の鈴木邦夫社長=6日午後、東京都内
記者会見する王子ホールディングスの矢嶋進社長(左)と三菱製紙の鈴木邦夫社長=6日午後、東京都内【拡大】

 国内製紙最大手の王子ホールディングス(HD)は6日、6位の三菱製紙に33%出資し、持ち分法適用会社にすると発表した。両社は既に提携しており関係を強化することで、原材料の調達や製品の配送などを共同で実施して経営の効率化を図る。少子高齢化やペーパーレス化が進み、事業環境が厳しくなる中、業界再編の動きが活発になる可能性もある。

 王子HDは昨年9月末時点で三菱製紙株を2.34%保有している。三菱製紙が実施する第三者割当増資を引き受けるほか、三菱東京UFJ銀行など三菱グループ5社から三菱製紙の株式を買い取り、出資比率を33%に引き上げる。取得金額は総額100億円程度で、出資は2018年7月から19年12月末までに終える予定。

 両社による共同調達や配送の推進に加え、三菱製紙は増資で調達する資金を八戸工場(青森県八戸市)の省エネルギー投資などに充てる方針だ。

 両社は生産拠点の見直しも検討する。

 製紙業界は国内市場が頭打ちとなる中で、競争激化や原料の古紙価格の高騰に見舞われている。東京都内で記者会見した王子HDの矢嶋進社長は「常に再編は考えている」と述べ、今後も他社との提携を検討する考えを示した。

 業界再編をめぐっては、過去に北越紀州製紙が大王製紙の創業家が持っていた大王株を買い取り、北越紀州が王子HD、日本製紙に対抗する第三極の結集を目指すといった動きがあった。両社の関係は悪化し、大王製紙は昨年、北越紀州との技術提携終了を発表するなど近年は再編の動きが停滞していた。

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【用語解説】王子ホールディングス

 製紙業界の最大手。段ボールなどの産業資材や新聞用紙、パルプ事業などを手広く手掛ける。1873年創業の老舗。1993年に神崎製紙、96年には本州製紙と合併するなど再編を繰り返して事業を拡大した。2012年から現在の社名。本社は東京都中央区。東証1部上場。17年3月期連結決算の売上高は1兆4398億円。最終利益は402億円。17年3月末のグループ従業員は3万5392人。

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【用語解説】三菱製紙

 製紙業界の中堅。1898年に神戸製紙所として神戸市に設立し、1917年に現社名に変更した。洋紙や写真感光材料、不織布などの事業を国内と欧米、アジアで展開する。本社は東京都墨田区。東証1部上場。2017年3月末現在の従業員数は3734人。17年3月期連結決算の売上高は2019億円、最終利益は11億円。