【トップは語る】タイコエレクトロニクスジャパン 中国からの受注動向を注視


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 □タイコエレクトロニクスジャパン社長・上野康之さん(61)

 --取引業種の中心である自動車の販売や工作機械の受注は好調だ

 「顧客からの直近の注文状況を見ても、減ってくる気配はまったく感じられない。特に半導体製造装置関連が好調で、いまのところ、1年くらいはこの勢いが失速するようなことはないだろう」

 --そのなかであえてリスク要因を上げると何か

 「中国からの受注動向には気をつけている。日本以上に政府の産業政策と密接に関わっていることに加え、現地の代理店が必要以上に注文を出したことで、需要と供給のバランスが崩れ、注文が突然キャンセルされることが起きないかと注視している」

 --工作機械や半導体製造装置などでは主要部品が不足し、納期が1年以上先になっているケースもある

 「確かに昨春以降、徐々に部品不足が言われるようになり、当社でもできるかぎり発注を前倒しするなどの対応を進めている。ただ今年に入ってから、多くの製品で共通して使える汎用(はんよう)的な部品に関しては徐々に手に入りやすくなってきた」

 --世界の自動車市場では、ガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトが加速している

 「ガソリン車のエンジンに関連するセンサーやコネクターの受注は今後減ることも予想されるので注視している。一方、電池周りのセンサーやコネクターの受注が新たに見込める。それ以上に注目しているのは自動運転の世界だ。人工知能(AI)や通信など新たな技術で、半導体やワイヤーハーネスの需要も高まる。特にワイヤーハーネスは今のところ銅線が中心だが、通信量の増加から光ファイバーに置き換わる動きがいずれ出てくる。自動車向けの光ファイバーにあったコネクターの開発にも今後取り組んでいく」

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【プロフィル】上野康之

 うえの・やすゆき 1983年日本エー・エム・ピー(現タイコエレクトロニクスジャパン)入社。自動車本部本部長、副社長などを経て、2015年1月から現職。神奈川県出身。