印市場好調のスズキ快走 トヨタとの確執越え…最高益更新に投資家も注目 (2/3ページ)

インド最大の自動車ショーでスポーツ用多目的車(SUV)をアピールするスズキの鈴木俊宏社長(右)=2016年(ブルームバーグ)
インド最大の自動車ショーでスポーツ用多目的車(SUV)をアピールするスズキの鈴木俊宏社長(右)=2016年(ブルームバーグ)【拡大】

 野村証券はリポートでスズキについて「インドは製品面、販売面で他社を大きく引き離しており、市場拡大の追い風を強く受けるだろう」と指摘している。

 スズキは、インド政府の「国民車構想」に応じて1983年に現地生産を始めており、インドで確固たる地位を築いたのは昨日や今日のことではない。しかし、株式市場は好業績をみて、スズキの持つ優位性を改めて認識した格好だ。インド自体の成長性もさることながら、潜在的な大市場であるアフリカ・中近東への輸出にも、地理的に橋頭堡(きょうとうほ)としての魅力がある。

 社長時代にインド進出の指揮を執った鈴木修会長が豪快な人柄で知られる一方、「冷静沈着」と評される長男の俊宏社長は、最高益にも淡々としている。昨年11月の決算会見では、「安心という思いはない。過去最高の収益は喜ばしいが、課題としてはEV、ハイブリッド車(HV)へのシフト。自動車産業がどうなっていくか見極めていかなければならない」と述べた。

 トヨタと確執越え

 インドで急激にEVシフトが進み、それに取り残されれば、スズキにとっての強みは一転して弱点となりかねない。何でもいいからEVを開発すればいいというわけではなく、「お客に受け入れられる価格で提供しなければならず、研究開発費が収益を圧迫する」(俊宏社長)という難しさがあるのだ。

 インドのモディ首相は昨年、EV化の推進を打ち出しており、スズキも当然、対応が迫られる。インドも中国と同じく、EVシフトを自国産業の育成に利用したい思惑もあるとみられ、政府による大規模な実証実験でパートナーに選ばれたのは、民族系メーカーのマヒンドラ&マヒンドラだった。

トヨタと組むことに、スズキ首脳に複雑な思い