内視鏡手術 国産ロボの開発大詰め、「ダビンチ」に挑む 川重など

手術支援ロボットのアーム先端に取り付けられた内視鏡や鉗子のコンピューターグラフィックス(開発チーム提供)
手術支援ロボットのアーム先端に取り付けられた内視鏡や鉗子のコンピューターグラフィックス(開発チーム提供)【拡大】

 ■“曲がって届く”が強み

 内視鏡や手術器具がしなやかに曲がり、おなかの奥まで届く。そんな国産の手術支援ロボットの開発が大詰めを迎えている。北川雄光慶応大教授(外科学)や川崎重工業などによる開発チームは2021年の発売を目標にしており、圧倒的に強い米国製の「ダビンチ」に対抗し、欧米やアジアの市場にも食い込むことを狙うという。

 手術支援ロボットは、医師の遠隔操作により、傷の小さい内視鏡手術を行うための装置。ロボットアームの先端に取り付けられた内視鏡や、「鉗子」と呼ばれるピンセットのような器具を、患者の胸やおなかに開けた穴から体内に差し入れて使う。

 手ぶれのない精密な動きが可能だが、ダビンチはアームが棒状で曲がらないため、患者の体に複数の穴を開ける必要がある。約3億円という価格も病院の大きな負担になっているとされる。

 チームは14年から、器具が曲がる手術ロボの開発に着手。このほど試作品が完成した。

 試作品は、内視鏡と2本の鉗子を1本の管に収納したコンパクトな造りで、この3種の器具をそれぞれ独立して動かせる。おなかに開けた穴から体内に入るだけでなく、例えば肛門から入って大腸の一部を切除して引き出すなど、曲がらないダビンチとは違った使い方ができるという。

 20年には臨床試験(治験)を始めたい考え。販売価格は未定だが、チームの外科医、和田則仁慶応大講師は「購入する立場からは1億円を切ってほしい」と話し、大幅な価格の低下を期待する。

 将来は、器具が臓器に触れた感じが医師の手に伝わる「触覚」機能の追加や、人工知能(AI)による“自動手術”も目指したいとしている。