【トップは語る】小池酸素工業 創業100周年、職人かたぎ取り戻したい


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 □小池酸素工業社長・小池康洋さん(51)

 --創業100周年を迎える

 「当社は社名にある酸素の販売で創業し、その後、酸素を使う金属材料の溶接や切断装置事業に業容を拡大してきた。1970年代以降は顧客である製造業者や建設会社の海外進出などと連動して事業拠点の海外展開を推進し、現在は世界を舞台にビジネスを展開している。ただ、近年は日本の製造業に事故や品質の低下、トラブルなどが増えているように思う。背景には、製造業の気質の変化があるように思えてならない。われわれの製造現場もそうだが、技術やノウハウのある熟練工、職人が激減しており、これまで成長を支えてきた現場の“職人かたぎ”は化石化している」

 --この状況をどう打開するか

 「製造業の変化は世界的な傾向だ。第4次産業革命などといわれる、人工知能(AI)も含めたIT活用の深化への対応なども重要ではあるが、最終的に日本製品の付加価値を高めるのは経験や技術、ノウハウを駆使する職人かたぎではないだろうか。われわれは100周年を機に、日本の伝統である職人かたぎを取り戻したい。100年で培ってきた小池酸素工業の経験や技術、ノウハウを再度習得するなど、原点に立ち返ろうと思う。その上でデジタル時代に対応することで、スペシャリストとしてプロセスを提案、提供できる“特別なメーカー”を目指していく。そのために、今年の行動方針の一つに『温故知新と原点回帰』を据えた」

 --展望とこれからの目標は

 「職人かたぎを取り戻すとともにデジタル化への対応を進め、世界で戦っていく。既に世界に拠点はあるが、現状はインターナショナル企業という段階だ。今後はこれらをより強固に結び付け、グローバル企業に変化させたい。これは日本型製造業復興への挑戦でもある」

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【プロフィル】小池康洋

 こいけ・やすひろ 米ダーメン大卒。1992年、小池酸素工業入社。取締役などを経て2016年6月から常務。17年6月から現職。東京都出身。