【栃木発 輝く】世界の自動車関係者が注目 「イケヤフォーミュラ」の技術進化 (1/4ページ)

 ■自開発の変速機 世界の自動車関係者が注目

 本社工場内には、東京モーターショーで一躍脚光を浴びた深紅のスーパーカーがある。その流線形の外観に目を奪われてしまうが、世界の自動車関係者がこぞって注目したのは、独自開発して搭載された変速機「シームレストランスミッション」だ-。イケヤフォーミュラ(栃木県鹿沼市)の池谷信二社長(58)は「いきなり開発できたわけではない。技術とは積み重ねだ」と強調する。車業界特有の規制の壁に何度も阻まれ、逆境を乗り越えることで、技術の進化を続けている。

東京モーターショーに出品された深紅のスーパーカー

東京モーターショーに出品された深紅のスーパーカー

 規制に阻まれ続ける

 シームレストランスミッションは、車を加速する際に、ギアを切り替えると駆動が途切れる「トルク切れ」を防ぐ機能で、欧州の大手自動車メーカーも開発しているが、「(構造が)複雑怪奇で重くなり、高くなる。うちはその逆で、軽く、安くなる」(池谷社長)という。性能を上げようとすれば新しい構造を取り入れるため、制御が複雑になるのが通常だが、マニュアル用の変速機をベースに独自開発した機能を組み込むことでシンプルな構造が可能となった。

 開発着手から8年が経過し、各自動車メーカーがテストする段階となったが、その土台となったのは、レース用に開発したものの規制変更でシーズン途中で使えなくなった変速機。

 規制変更を受けて海外に重心を移したが、海外でも同じような規制変更の憂き目にあった。「撤退せざるを得ず、行き場所を失った。どんどん商品の売り上げが落ちたが、そこで得た技術はすごくあった」(池谷社長)という。コンマ何秒を争うレース用として、しのぎを削った加工や力を分散する技術がシームレストランスミッションの開発に生きたのだ。

元レーサーの情熱