スバル、信頼回復へ多難な船出 経営責任は…疑問が残る新体制

会見に臨む中村知美新社長=2日午後、東京都千代田区(福島範和撮影)
会見に臨む中村知美新社長=2日午後、東京都千代田区(福島範和撮影)【拡大】

 スバルの主力市場である米国の販売などで実績を上げてきた中村知美専務執行役員の新社長内定会見は、晴れやかなスタートとはいかなかった。これまで疑惑にとどまっていた燃費データの改竄(かいざん)が事実だったと公表したことや、新車の無資格検査問題の「けじめ」で3役員が退任する一方、吉永泰之社長は会長兼CEOにとどまるという分かりにくさが背景にある。中村氏の表情は最後まで硬く、信頼回復を目指すスバルの経営のかじを取る重責を物語っていた。

 燃費データ改竄に関して吉永氏は「基準値内の書き換えで、品質に対する影響は生じない。(燃費の)カタログ値が変わるわけではない」と強調。「完成検査(の不正)と同じようなことが行われていた。大きな問題で、反省しなければならない」と述べた。組織ぐるみではないとの見方が大勢だが、今後公表する調査結果次第で、検査不正により傷を負ったブランド力がさらに低下する懸念もある。

 また、吉永氏は会長兼CEOにとどまることについて「『真に正しい会社』となるため、さらに信頼されるブランドを築き上げるべく全力を注ぐ」と説明した。4年間の米国駐在で「(本社での仕事に向け)リハビリ中」(中村氏)の新社長を助ける意味もあるようだが、経営責任を取らない姿勢とも受け取られかねず、消費者らの支持を得られるかは不透明だ。

 スバルは次期中期経営計画を5月までにまとめる予定だったが、めどを今夏に延ばし、中村氏が中心となって策定する方針。焦点となる電気自動車(EV)など車両の電動化、自動運転といった次世代技術への対応などについて中村氏は「中計で答えを出したい」と話した。前途多難な船出となった新経営陣だが就任早々、その手腕が問われそうだ。(高橋寛次)