日航、20年度までの中期経営計画に10年後の時価総額目標明記

日本航空の航空機=成田空港
日本航空の航空機=成田空港【拡大】

 日本航空は2月末に公表した2020年度までの中期経営計画に、10年後の時価総額の目標も明記した。収益以外に時価総額の目標まで示すのは珍しいといい、かつて経営破綻で株主価値を大きく損なった同社だが、開示姿勢には変化の兆しが出てきた。

 計画には、最終年度の収益目標のほかに、10年後の会社の姿として売上高2兆円、営業利益2500億円とすることを盛り込んだ。

 さらに会社の発行済み株式数に、その時点の株価を掛けて表す時価総額は「3兆円」とする目標を新たに掲げた。「時価総額にまで踏み込むケースは珍しい」(JPモルガン証券の姫野良太アナリスト)という。

 そこまで市場の目線を意識するのは、前回の苦い経験があるためだ。昨年4月に公表した20年度までの計画では、収益目標を具体的に記述せず、機関投資家から「成長ストーリーを想像しにくい」といった落胆の声が上がっていた。

 更新版となる今回の中計発表翌日の日航株は、終値で前日比4.4%上昇した。ただ、長期目標の達成は決して低いハードルではない。時価総額は現在から倍増させる必要がある。

 政府は20年の東京五輪に向けて、首都圏の空港の発着枠を拡大する計画だ。国内証券のアナリストは「ANAホールディングスとの発着枠争いが(目標実現の)鍵を握る」と指摘した。