バニラ・ピーチ統合 訪日客急増 海外LCCの攻勢対抗

会見するANAHDの片野坂真哉社長(中央)、ピーチ・アビエーションの井上慎一社長(左)、バニラ・エアの五島勝也社長=22日午後、東京都港区(佐藤徳昭撮影)
会見するANAHDの片野坂真哉社長(中央)、ピーチ・アビエーションの井上慎一社長(左)、バニラ・エアの五島勝也社長=22日午後、東京都港区(佐藤徳昭撮影)【拡大】

 ANAホールディングス(HD)が22日に発表した傘下の格安航空会社(LCC)、バニラ・エアとピーチ・アビエーションの統合。ピーチの連結子会社化から約1年で統合を決めた背景には、訪日外国人旅行者の急増による航空需要の高まりを成長に結びつけるには、一刻の猶予も許されなかったためだ。

 「旺盛な訪日需要を獲得するためにも、統合は今がタイミング」。ANAHDの片野坂真哉社長は会見で統合の理由を強調した。

 行間ににじむのは航空業界、特にLCCの競争激化に対する切迫感だ。ピーチが関空発着で運航するソウル、釜山路線には韓国LCC6社が参入しているが、29年度は韓国LCC2社が成田発着の韓国路線を新規就航。2020年東京五輪・パラリンピックを見据えて、海外のLCCが攻勢を強めている。

 中距離路線でもアジア最大のLCC、マレーシアのエアアジア系が成田-バリ島(デンパサール)を29年5月に新規就航させた。

 ただ、2社を合わせれば28年度の旅客数と売上高は国内LCCで1位、国内全体でも3位。ピーチは「全日空にはできない」(片野坂氏)独自のアイデア企画で20、30代女性を取り込み業績を順調に伸ばしており、ANAHDは成長の柱に据える考えだ。

 「統合後の経営もピーチの独自性を尊重したい」と片野坂氏。2社の魅力をさらに高められるかが、新生ピーチの成否を握っている。(日野稚子)