あくまでビジネス ダウン症の店員が運営するカフェが大成功したワケ (1/3ページ)

 昨年、六本木に2度にわたり期間限定でオープンした「注文をまちがえる料理店」は記憶に新しい。認知症を持つ従業員による不完全なサービスを前面に打ち出したこの店は、人による「間違い」を受け入れ、楽しむ寛容さをユニークな手法で社会に提案した。

 ◆日本でヒット

 国内外のメディア・福祉・街づくり関係者などからの問い合わせは数百件にのぼり、それに応える形で2冊の関連書籍も年内に出版。このプロジェクトの発案者であるTVプロデューサーの小国士朗氏は、「誰もが『ここに居ていいんだ』と思える居場所が、どのくらい町の中にあるかがすごく重要だと思っている。<中略> そうしたことが、ダイバーシティ(多様性)を認めていくこと」と語り、「おおらかな気分が、日本中に広がること」を願う。

 継続的なビジネスとしての実現可能性は小国氏も疑問を呈するところではあるが、現在、社団法人の設立に向けて準備中。何より少子高齢化により人材確保が急務となりつつある日本において、「不完全な」人材を活用する姿勢と方法の一つを提示したインパクトで大きな反響を呼んだ。

 ◆オランダで大成功「ブラウニーズ・アンド・ダウニーズ」

 一方オランダには、類似のコンセプトで、既にビジネスとして大成功を収めている会社がある。ダウン症などの発達障害を持つ従業員が中心となって運営する「ブラウニーズ・アンド・ダウニーズ」という名のカフェレストランで、2010年の第一号店のオープンから8年経った現在、店舗数は国外を含め48にまで増加している。

「ブラウニーズ・ダウニーズ」の公式HP

「ブラウニーズ・ダウニーズ」の公式HP

 経営チームはほぼ定型発達のスタッフ(発達障害ではない人)が固めるが、各店舗の現場ではダウン症に限らず自閉症スペクトラム、ADHD(注意欠陥多動性障害)、学習障害など、様々な発達障害を持つスタッフと定型発達のスタッフが同等の賃金が支払われ(現在オランダの最低賃金は22歳以上で時給9.20ユーロ≒1190円)、協力してキッチンやホールを回している。

政府の補助金は完全に分離