【高論卓説】リコール連発の日産 危機感薄い経営陣、欠落している「ユーザー視点」 (2/3ページ)

日産自動車の本社。クリスマスのイルミネーションが辺りを彩っていた=横浜市西区(松本健吾撮影)
日産自動車の本社。クリスマスのイルミネーションが辺りを彩っていた=横浜市西区(松本健吾撮影)【拡大】

 その後、第三者を交えた社内調査で10月18日までの間に追浜工場、栃木工場、日産自動車九州で不正が続いていたことが発覚。日産と日産車体の全6工場で17年2月10日から18年10月18日までに製造された3万8000台23車種を対象にリコールが行われた。これが2回目だ。その後、リコールの対象車種や対象数を変更する3回目のリコールを行っている(1、2回目とも更新後の数)。

 再発防止策は17年10月31日に発表。完成検査に関する法令順守の可視化や社内教育の徹底を表明、完成検査が国から委託された特別な業務であることが分かるよう掲示物やエリア、帽子などで誰もが認識できるよう可視化し、全員でその意識を常態化することや社内教育を通して法令順守を徹底させることを表明した。

 ところが、11月1日から7日までの国交省の立ち入り検査で工場がきちんと再発防止策を実行していないことが発覚。日産は改めて再教育、再試験などを講じるなどの改善策を発表した。

 しかし、これで終わりではなかった。18年7月には排出ガスや燃費測定試験でも不正、9月には抜き取り調査で不適切な事案が発覚。山内康裕最高執行責任者(COO)は9月26日の記者会見で「膿は出し切った」と終息宣言したが、12月に入ると再び完成検査関連での不正が出てきた。日産では不正が続くことについて「自主検査の中で不適切な事案が判明した」(本田聖二常務執行役員)とまるで健全化のプロセスであるかのように説明している。しかしリコールで不要な負担を強いられるのはユーザーだ。日産にはそうした視点が欠落している感がある。

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