スルガ銀、創業家への不適切融資で前会長ら5人を提訴

記者会見で不適切融資を謝罪するスルガ銀行の有国三知男社長(右)=27日午後、静岡県沼津市
記者会見で不適切融資を謝罪するスルガ銀行の有国三知男社長(右)=27日午後、静岡県沼津市【拡大】

 スルガ銀行は27日、創業家が関連する「ファミリー企業」への不適切融資をめぐり岡野光喜前会長ら5人に対し連帯して総額約32億円を支払うよう求める損害賠償訴訟を静岡地裁に起こした。同日公表した社外弁護士らによる調査委員会の報告書では、融資がファミリー企業の債務返済や資金繰りが目的だったとして法的責任を認定した。

 シェアハウス向け投資をめぐる不正融資問題で総額35億円の損害賠償を求め提訴したのに続き、信用失墜や財務悪化を招いた旧経営陣の責任を追及。連帯請求の上限は岡野氏の実弟で副社長を務めた故喜之助氏の責任が最も重く30億円。次いで岡野氏を13億円とした。

 報告書によると、ファミリー企業向け融資は平成14年時点で約1200億円に上り、減額を図った結果、現在は488億円が残る。

 岡野氏が代表理事の財団法人に対し、24年から29年に寄付したお金が美術品や不動産の売買を通じて他のファミリー企業に流れ、借り入れの返済に充てられた。

 特別背任などの刑事責任に関しては、喜之助氏が死去しており「疑いは残るものの調査に限界がある」(調査委の片岡義広弁護士)として、追及を見送ることにした。

 スルガ銀はファミリー企業関連の融資焦げ付きに備え30年9月中間期で134億円の貸倒引当金を計上しており、この期に1千億円超の最終赤字を計上する一因となった。