スルガ銀 脱創業家鮮明 旧経営陣の責任追及、支援先探しに危機感

 スルガ銀行はファミリー企業への不適切融資を含む旧経営陣の責任追及に乗り出すことで創業家との決別姿勢を鮮明にした。創業家の影響力を排除しなければ経営再建に向けた支援先探しがおぼつかないとの危機感が背景にありそうだ。「ホワイトナイト(白馬の騎士)」候補として既に複数の地方銀行がささやかれており、経営上のリスクを見極めながら支援の動きも出てきそうだ。

 「創業家のいない新しいスルガ銀を作り直す出発地点だ。(他行への支援要請も)当社の企業価値にとって有益であれば検討する」

 有国三知男社長は27日の記者会見でこう述べ、創業家の影響力排除に改めて強い意欲を示した。

 スルガ銀は2018年9月中間期に最終赤字を計上したが、過去の融資による金利収入が収益を下支えし本業のもうけを示す実質業務純益は前年同期比9.1%減の301億円と踏みとどまっている。

 高収益を支えた投資用不動産向け融資は業務停止の行政処分中だが、今後も個人向け融資を収益の柱に据える。一連の不祥事後に顧客が集まるのか疑問視する声もあるが、外部支援を受ければ信用を補完し再出発を図れる可能性が高まる。

 ただ、障害になるのが約13%の株式を保有する創業家やファミリー企業の存在だ。ある地銀大手幹部はスルガ銀支援に「潜在的な関心を持つところは多い」と指摘しつつ、「支援後に旧経営陣から口出しされたら困る。創業家との関係清算が絶対条件」と指摘する。

 支援先候補には横浜銀行を傘下に持つコンコルディア・フィナンシャルグループや、同じ静岡県が地盤の静岡銀行の名前が取り沙汰される。スルガ銀はこうした地銀大手と正面衝突しないよう、単身者用住宅ローンなど他行が関心を持たない個人向け融資に注力した経緯があり、支援先にとっても特異なノウハウが強みになる可能性もある。

 スルガ銀は19年の早い時期に臨時株主総会を開き経営体制を立て直す方針を打ち出しており、外部から経営者を招くのではと指摘する声もある。一連の不祥事に区切りを付け、新たな布陣と支援先の後押しで信頼回復を図れるかが経営再建のカギを握りそうだ。(田辺裕晶)