【経済インサイド】あえて「敵に塩を送る」みずほ LINE接近の真意は (2/3ページ)

記者会見で握手するLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長
記者会見で握手するLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長【拡大】

  • 記者会見に臨むLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長

 顧客奪い合いも

 一方のみずほにはLINEとの提携はどのようなメリットがあるのか。みずほFGの岡部俊胤副社長は自らを「旧来型の銀行だが」と自嘲気味に語りつつ「我々が苦手にしている若い世代、デジタルネーティブへの接点を持つことが第一目的だ」と説明した。

 みずほの行内調査ではインターネット銀行の普通口座開設数はすでに3メガ銀行の合計を上回る。将来の主要顧客になる若い世代は銀行に来店しない人も増えている。そこで、新銀行を通じて若い顧客との取引を拡大させ、高齢化する既存顧客との世代交代につなげたい狙いがある。

 もっとも、新銀行を通じて接点を持った若い世代が対面営業や人手を介した投資相談など従来型のサービスを主に展開するみずほ本体の顧客に育つかには不透明感も強い。むしろ既存業務との重複や顧客の奪い合いにつながる懸念もあり「なぜ将来の強敵に塩を送るのか」(関係者)との声も他行からはあがる。

 「何もしないままでいるマイナスよりも、プラスの方が大きい」。岡部副社長のこの言葉にみずほの真意が凝縮されている。

 3メガ銀行をはじめとする既存の日本の銀行業界はITと金融を融合したフィンテック分野の取り組みでは出遅れが目立つ。最近のフィンテックの新規サービスはベンチャー企業が開発したものが多い。3メガ銀行などは超低金利などの構造問題に直面して既存のビジネスモデルが限界に達するまで、デジタル技術を活用したビジネスモデルの転換に二の足を踏んでいた。

3番手からの脱却