【経済インサイド】あえて「敵に塩を送る」みずほ LINE接近の真意は (3/3ページ)

記者会見で握手するLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長
記者会見で握手するLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長【拡大】

  • 記者会見に臨むLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長

 3番手からの脱却

 こうした中、米アマゾンやグーグルなどのプラットフォーマーやIT大手はスマホを使った決済サービスなどに相次ぎ乗り出し、金融業に本格進出しはじめた。膨大な顧客基盤から得たビックデータを活用し、従来にない発想のサービスで金融業界に攻め込みつつある。「プラットフォーマーは今や最大の脅威だ」。大手銀関係者は業界変革の主導権を異業種に握られることへの強烈な危機感をあらわにする。

 「顧客のニーズは多様化しており、提携を組んでいかないと生き残れない」

 岡部副社長はプラットフォーマーに接近し、顧客基盤だけでなく、銀行にない発想の技術やノウハウを取り込まなければ今後の成長は難しいとの見方を示した。

 「本丸はデータだ」。みずほFG幹部はLINEとの提携の狙いをこう明かす。個人から購買履歴などのデータを預かり企業に提供する「情報銀行」などのデータビジネスについて、みずほFGは今後、戦略的に極めて重要になるとみている。LINEともネット閲覧などから信用データを集め融資を行うサービスを始める予定で、これを足がかりにLINEが蓄積した膨大なデータを活用した新たなサービスも視野に入れる。

 個人データを利活用するサービスはITプラットフォーマーが先行するが、銀行基盤に対する信頼性の観点から、みずほにも「十分に勝機はある」と坂井辰史社長は自信を示す。金融業界の垣根がなくなりつつある中、みずほは他メガに先んじて新たなプレーヤーと連携して勝負に出た。3メガ銀の3番手という定位置を打開する「反転攻勢」への初手になるか-。(万福博之)