銀行の店舗が新店・移転リニューアルを機に、大きく様変わりしている。広くゆったりした待合スペースを設置したり、伝票記入などをタブレット端末操作に置き換えたりと、IT化やスペース活用を進めている。近年、個人の来店客は減少し、銀行支店も統合や閉鎖が進んでいるが、各行は相談スペースや居心地のいい店舗作りで顧客を引きつけようとしている。(大島直之)
地元らしい店内デザイン
りそな銀行が昨年10月、阪神西宮駅の商業施設内に移転・リニューアル開業した西宮支店(兵庫県西宮市)の店内は、りそなホールディングスグループで初めての試みとして、地元の特色を店舗作りに取り入れた。
武庫川女子大学(同)生活環境学部の学生らのアイデアを生かし、コンセプトは地元ゆかりの深い酒蔵、自然の緑。店内は緑の公園をイメージで彩られたほか、内装や待合スペースの間仕切りには酒樽(だる)、照明は造り酒屋などの軒先にスギの葉を集めてボール状にした杉玉をしつらえた。
待合スペースは、間仕切りなど、オフィス家具を片付けてセミナーやイベントなどに活用できる。りそな銀行の東和浩社長は「来店客が大幅に減り、銀行も機械化が進んだ。顧客向けスペースを広げ、もっと接点を持てるようにしていく」と話す。