三井住友FG、カバード債の法制化要請へ 海外拡大へ外貨を安定調達 (2/2ページ)

東京・丸の内にある三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の本社ビル前を歩くビジネスマンら(ブルームバーグ)
東京・丸の内にある三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の本社ビル前を歩くビジネスマンら(ブルームバーグ)【拡大】

  • SMFGの国部毅社長

資金流出リスク軽減

 国部氏がカバード債にこだわるもう一つの理由は調達資金が流出しにくい点だ。18年9月末現在の同社の調達状況は、外貨貸出金など約3000億ドル(約32兆6300億円)に対し、顧客性預金と中長期調達は約3300億ドルと金額ベースでは十分だ。しかし、国部社長は「外貨は調達だけでなく危機時の流出率分析が大事」だとして、「質の入れ替えで流出リスクの軽減」を図っている。

 市場変化に影響されやすい譲渡性預金(CD)やコマーシャルペーパー(CP)など短期性預金は中長期調達などで補う形にするほか、08年の世界金融危機時も影響が想定的に小さかったことで知られるカバード債は、今後も継続的に発行する計画だと国部氏は語った。

 ムーディーズ・ジャパンによると、メガ3行は米ドル建ての流動性が潤沢だった13年3月期から16年3月期にかけて海外貸し出しを積極的に広げてきたが、金利上昇に伴い資金調達はタイト化している。海外で預金を取り込み、貸し出しを抑制することで外貨建て貸し出しと預金の差を縮小しているが、預金は個人より安定性が低いホールセールが大半を占めるのが現状だ。

 また、国際資本規制「バーゼル3」の最終枠組みが決まったことで、SMFGは資本を投資に振り向ける。国部氏は、経営環境が現状のままであれば投資余力は今後5年間で1兆円程度積み上がる見込みだとして、今後インドネシアだけでなくベトナムなどでフルバンキング提供を検討し、「経済成長の果実をグループの収益に取り込む」と語った。(ブルームバーグ Yuki Hagiwara、Takashi Nakamichi)