合意なき離脱、全銀協会長懸念 英機能の移管も想定、人材確保含め問題に

全国銀行協会の藤原弘治会長
全国銀行協会の藤原弘治会長【拡大】

 欧州連合(EU)との離脱合意案を英下院が否決し「合意なき離脱」の恐れが強まる中、在英金融機関はEU内での営業を円滑に進めるため対策を加速している。全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は17日の記者会見で「英国に構える欧州統括機能をEU域内に移転するケースも想定され、人材確保を含め問題になる」と指摘した。

 離脱に伴い、英国で金融業の免許を取ればEU域内どこでも営業できる「単一パスポート」が失われる。

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、今年3月までに独フランクフルトに銀行の現地法人を開設。三菱UFJFGはオランダ・アムステルダムに銀行の欧州本部機能を一部移管しており、昨年12月には証券業の認可も取得した。「交渉が決裂した場合でもスムーズに事業が継続できるよう各行しっかり対策をしている」(藤原氏)状況だ。

 ただ、合意なき離脱なら準備期間がなく関税や通関手続きが復活し、企業のサプライチェーン(部品の調達・供給網)が混乱しそうだ。藤原氏は「コスト競争力低下を回避するためバリューチェーン(付加価値連鎖)の再考や拠点再編に波及しかねない」と懸念している。