羽田空港と都心、JRで直結 新路線3ルート 近くアセス着手

羽田空港の滑走路とターミナルビル=2017年1月
羽田空港の滑走路とターミナルビル=2017年1月【拡大】

 日本の交通網に変革を促す巨大プロジェクトが、首都の玄関口で本格始動する。JR東日本は、羽田空港と東京都心のターミナル駅を結ぶ新路線「羽田空港アクセス線」の建設に向け、近く環境影響評価(アセスメント)に着手する方針を固めた。2月中にも表明し、今春に作業を始める。関係者への取材で10日までに明らかになった。

 羽田空港の新駅と東京駅は約18分、新宿駅は約23分で直結する計画だ。アセスに3年、建設に7年を要し、2029年ごろの完成を見込む。羽田では20年東京五輪・パラリンピックに合わせ、国際線の発着枠が拡大し、利用者は増加傾向の見通し。各新幹線が発着する東京駅など都心と羽田の移動時間短縮で、利便性向上に大きな効果が期待されるが、東京への一極集中をさらに加速させる可能性もある。

 人手不足を背景にした建設コストの高騰で、事業費は3000億円以上になるとみられ、JR東は国や東京都に支援を要請。費用負担の協議を進めている。関係者によると、国は羽田空港の活性化につながるとして、補助する方向で検討している。

 JR東は、新駅建設に向け空港でボーリング調査を実施済み。地下のトンネルなどで難工事も予想され、アセスでは沿線の地質調査などで、工事や電車の走行による影響を確認する。

 JR東によると、アクセス線は東京駅方面の「東山手」、新宿駅方面の「西山手」、江東区の新木場駅方面の「臨海部」の3ルートの総称で、既設線路や新規路線を組み合わせる。羽田空港の新駅と品川区の東京貨物ターミナル駅との間は、5.7キロのトンネルを開通させる計画だ。東山手は東北、高崎、常磐の各在来線からの直通運転が可能。新木場駅と羽田は約20分で結ばれる。

 JR東は子会社の東京モノレールを除き、羽田につながる路線は持っていない。同社は14年、国土交通省の交通政策審議会でアクセス線構想を明らかにし、羽田に東京五輪に合わせた暫定駅を開業させることを検討したが、断念。深沢祐二社長は昨年7月の記者会見で「できるだけ早くスキームを詰める」と述べ、意欲を示していた。