課税原則見直し 英米が対立 日本、折衷案目指す

 国際課税原則の見直しをめぐっては、GAFAなどIT大手による自国内での稼ぎに課税したい英国と、課税対象を米IT大手に限定したくない米国が対立している。財務省はG20の議長国として折衷案を探る考えで、新ルール策定へリーダーシップが求められそうだ。

 「結構早い段階でここまでこられた」。麻生太郎財務相は15日の記者会見でこう述べ、国際課税原則の見直しの進捗(しんちょく)を評価した。

 現在の原則では、自国内に支店、工場などの恒久的施設(PE)を持たない企業に対し、その国は課税できない。GAFAは国境を超えたネット配信などが可能で利益を捕捉しづらく、現在の原則では十分な課税が難しかった。

 事態打開に向けた案の一つが英国の主張だ。利用者が入力した属性や検索データに基づき表示した「ターゲット型」のネット広告などから企業が収益を得た場合、その収益に課税する。対象は「高度にデジタル化されたビジネス」としている。

 実際、英国は各国に先行し、来年4月から、IT企業が英国のユーザーから稼いだ収入に2%の税率を課す方針も打ち出している。

 一方、これに反発するのが米国で、企業がある国で上げた利益に役立ったブランド力、顧客情報などの無形資産を評価し、それに応じて国に課税権を配分するよう主張。評価は市場調査に使われた費用などから推測することが想定される。対象をIT企業に限定しておらず、国際展開している米国以外の別業種の企業に対する課税が可能になる。

 調整は難しいが、財務省は英米案の落としどころを探りG20としてルールの方向性を打ち出す考えだ。G20は近年、米中貿易摩擦に解決策を示せず、今回は国際社会が納得できる案で存在感を高められるかが問われている。(山口暢彦)