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EV向けレアメタル確保に道 豪鉱山開発 日本に参加打診、年内にも判断

 オーストラリアの鉱山開発のクリーン・テック・ホールディングスが、希少金属(レアメタル)鉱山開発の権益をめぐり、日本企業に参加を打診していることが8日、分かった。電気自動車(EV)向け充電池の原料に用いられるニッケルやコバルトに加え、EVの軽量化につながるスカンジウムの生産も見込まれる。日本側にとっては新たな権益獲得の道が開かれた形で、年内にも最終投資判断する。

 クリーン・テックのサム・リガル最高経営責任者(CEO)が産経新聞の取材に対し、豪東部ニューサウスウェールズ州のサンライズ事業の最大5割を売却する方針を明らかにした。同事業では年産2万トンのニッケル、3500トンのコバルトのほか、希土類(レアアース)の一種のスカンジウムも将来80トン生産できる。中国や欧州に加え、日本企業など複数のEV関連企業や商社が関心を示しているという。

 二酸化炭素(CO2)排出量削減に向けてEV開発に取り組む自動車大手や新興企業などにとって、ニッケルやコバルトは必須の素材。また車体軽量化のための素材として期待されるアルミニウムは、微量のスカンジウムを添加することで、高張力鋼板のハイテンの約1.5倍の強度を持たせることが可能になり、アルミの使用量の大幅削減にもつながるという。

 スカンジウムはニッケルなどのレアメタル鉱石から少量だけ取り出すことができ、年間12トン程度が中国やロシアに偏って生産されている。価格が高いこともあり、用途は戦闘機向けなどに限定されてきた。「豪のスカンジウム生産が本格化すれば、アルミ需要拡大を後押しする素材革命になる」とリガルCEOは話す。

 クリーン・テックはこのほど自動車向けのスカンジウムを添加したアルミ合金の新技術開発にめどをつけ、技術特許を自動車メーカーに開放し、需要開拓も進める方針だ。航空機業界でも欧州エアバスがスカンジウムを添加したアルミ合金の実用化の検証段階にある。

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