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千年先も考えて建てたんや 「最古の企業」の棟梁が語る、歴史と矜恃 (3/3ページ)

 「金堂もコンクリートでやったんやけど、昔から受け継いだ技術にもこだわった。コンクリートと木材の境目には、微妙に隙間を作っている。木は膨張するからな。千年先も考えて建てたんや」

 膨張率などを綿密に考えた上で、飛鳥時代から伝わる“アナログ”の技術も加える。「未来を考えて建築する」のが、歴史を背負った宮大工の矜持だ。昨今は耐震偽装問題などが発覚しているが、金剛組の建築物はその対極にある。

 「そら、信仰の対象として未来に残していくものを作っているんやから。見えへんから手を抜くとかはない」

 宮大工という職業に就いていても、五重塔の建築に関われるのは、一生に一度あるかないか。では、もしも今、四天王寺五重塔の建て替えを受注したら?

 「そら、今度は木造にしますよ。それも飛鳥時代から伝わる金剛組の技法を使ってね。現代の工法は使わないのかって? わたしらは、昔から伝わるやり方が一番いいと信じているからな」

 その言葉を実証するように、歴代の五重塔が地震で倒壊した例はない。そんな1400年伝わる奇跡の工法を今も守り続けていることが、金剛組を金剛組たらしめているのだろう。

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