経済インサイド

マツダが「アクセラ」を捨てた “欧州流”をヒントにブランド戦略 (1/2ページ)

 マツダが、最も売れていた主力車「アクセラ」の名前を全面改良に合わせてこの春、捨てた。表面上は海外での車名「マツダ3」に統一しただけともみえるが、車名=企業名への統一は他の車種も同じだ。背景を読み解くと、マツダの企業ブランドづくりにまで及ぶ、壮大な戦略がみえてくる。

 アクセラは平成15年、ファミリアに代わる世界戦略車として発売された。名前は、アクセルやアクセレレイト(加速する)、エクセレント(卓越した)を組み合わせた造語。デザインの洗練ぶり、ハンドリングや加速などの走行性能で高い評価を得て、日本だけでなく海外でも独フォルクスワーゲンの「ゴルフ」などと並んで人気になった。16年には「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」2位に選ばれ、28年には世界累計生産500万台をマツダ車の中では最速で達成した。現時点でマツダの年間販売台数の約3割を占める代表車に育っていた。

 日本でも戦後まもなく、企業名を車名につけていた歴史はある。トヨタ自動車の小型車やトラックなどの「トヨペット」、スズキの軽自動車「スズライト」などだが、マツダは「マツダ2」(旧デミオ)、「マツダ6」(旧アテンザ)も含め複数車名を一気に刷新。異例の決断といえる。

 ただ、アクセラは実は、海外では発売当初からマツダ3だった。日本で車名として一般化しているのは実は愛称(ペットネーム)のこと。米国もペットネーム文化があるが自動車発祥の地である欧州では、企業名とアルファベットや数字の組み合わせが多い。

 例えば、メルセデス・ベンツは車体の大きさなどで「Cクラス」「Aクラス」などと命名。独BMWは「3シリーズ」「5シリーズ」といった数字で呼び、個々の車名は「320i」などと、排気量(出力)も含めた3桁の数字+エンジンの種類記号という実にシンプルなルールだ。

 マツダの車名=企業名戦略の狙いは実は、企業ブランドが強いこの欧州メーカーの車名パターンにこそ、ヒントがある。

 マツダの昨年の世界販売台数は161万台。5年連続で過去最高を更新したとはいえ、1000万台規模のトヨタ自動車や日産自動車と比較すれば小さい。グローバル競争でこの小規模でどう戦っていくか。そこで掲げるのが「個別商品で選ばれるのではなく、マツダブランドで選ばれ続けたい」(福原和幸常務執行役員)との理念だ。

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