経済インサイド

タクシーは“センシングカー” 配車アプリ、真の狙いはビッグデータ活用 (1/2ページ)

 スマートフォンアプリを使ってタクシーを呼ぶことができる配車アプリ。IT企業の参入が相次ぎ、全国での普及に向けた割引キャンペーンを繰り広げている。だが、割引サービスや全国展開などの投資が各社の負担になっており、見合う利益はすぐには得られない。それでも手綱を緩めない本当の狙いは、タクシーを“センシング(計測)カー”として集めた膨大な情報(ビッグデータ)が、次のビジネスにつながるからだ。

 「自動運転は将来的に見ているところではある」

 ソフトバンクと中国の配車最大手、滴滴出行との合弁会社DiDi(ディディ)モビリティジャパン(東京)の菅野圭吾副社長は、配車サービスを通して将来的に展開したい事業についてこう語った。

 人工知能(AI)を活用した配車までの時間の短さをアピールするディディは、昨年9月から大阪でサービスを開始したのを皮切りに、今年4月には東京、9月には山口と全国展開を進めている。展開地域を決める上で重視しているのは、中国最大手の滴滴の合弁会社ということもあって、中国人訪日客と日本人の両方の利用者が見込まれることだという。

 また、同じソフトバンク系の会社と連携したキャンペーンを展開。幼稚園と保育園向けにクラウドサービスを提供するハグモー(東京)の利用者向けには、ディディの無料クーポン2000円分を10月にプレゼントする。

 こうした全国展開とキャンペーンで普及を進めてデータを集め、将来的に目指すのが自動運転というわけだ。菅野氏が「大前提のデータ」と指摘するのが、どういう天気、どういうイベントがあるときに、利用者がどこにいて、タクシーがどこにいるのかをAIで分析して予測する「人と車の流れをわかるようにすること」だ。

 利用者とタクシーの需要と供給が明らかになれば、「どうすれば渋滞を解消できるのか、タクシーや電車など移動の最適化をユーザーにどう提供すればいいのか、わかるようになる」という。自動運転などの新しいサービスを展開するに当たって、菅野氏は今後、ソフトバンク系で自動運転を運営するSBドライブや、ソフトバンクがトヨタ自動車と合弁で設立した新しい移動サービスの提供を目指すモネ・テクノロジーズとの協業も視野に入れる考えを示した。

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