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「ムラの論理」を外にも求め…日本企業は外からは謎な「闇ルール」が多すぎる (4/4ページ)

 「法の支配」を社会の行動原理に取り込め

 日本の企業に就職すると、職務の説明(ジョブ・ディスクリプション)がない。雇用契約書もない場合が多い。辞令が一枚、渡されるだけである。どういう仕事を遂行すればいいのか、誰にも説明できない。どの現場も、暗黙のルールに満ちていて、それを全員が一様に意識しているわけでもなく、説明もできないからだ。「だんだん慣れてください」と言われるだけ。

 欧米の契約文化に慣れたひとが、日本の企業に就職すると、びっくりする。すぐ辞めてしまう場合も多い。

 日本の企業が現地法人をつくったり、合弁企業をつくったりすると、最初にぶつかるのは、双方の組織文化がまるで違う、という問題だ。ヨーロッパ、アメリカ、中国、ベトナム、メキシコ……、どこが現地であるかによって、解決は異なる。そして、その社会の背景を、猛烈に勉強しなければだめだ。

 日本企業が現地法人をつくると、台湾総督府か朝鮮総督府か、満洲国のようになってしまう。日本ルールと本社の意思決定を、トップダウンで、現地の組織に押しつける。このやり方では、グーグルやアップルのような、世界的な巨大企業を動かすことはできない。

 グローバル社会の標準的な行動様式は、「法の支配」である。これは、西欧キリスト教文明が、グローバル社会に残してくれた、置き土産だ。

 この貴重な社会資産を、日本社会の行動原理に取り込んでいくこと。これが、これからの100年、日本が世界に飛躍するための土台になる。

橋爪 大三郎(はしづめ・だいさぶろう) 社会学者
 1948年神奈川県生まれ。東京工業大学名誉教授。大学院大学至善館教授。1977年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学後、1989~2013年東京工業大学に勤務。『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『げんきな日本論』(講談社現代新書)、『丸山眞男の憂鬱』『小林秀雄の悲哀』(講談社選書メチエ)、『世界は四大文明でできている』(NHK出版新書)、『世界は宗教で動いてる』(光文社新書)など、著書多数。

 (社会学者 橋爪 大三郎)(PRESIDENT Online)

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