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断水対策、ベンチャーが貢献 シャワーの水再利用 タンク付き浄水器も

 災害による断水の不便さを和らげようと、各地のベンチャー企業が奮闘している。今年は台風の影響で、大規模な断水が千葉県など各地で発生。水の備えに関心が高まっており、注目を集めそうだ。

 「災害のときでも普段と変わらずに水を使えることが常識になれば」と語るのは、「WOTA(ウォータ)」(東京都)の前田瑶介取締役。体を洗った水を濾過(ろか)して繰り返し使えるシャワーシステムを開発し、今年から本格的に販売を始めた。

 水以外の不純物を通さない逆浸透膜(RO)や活性炭など計6本のフィルターによって、100リットルの水でシャワーを約100回浴びられる。

 東京大発のベンチャー企業で、効率良く排水を浄化できるように、人工知能(AI)がコントロール。希望小売価格500万円(税別)と高価だが、前田取締役は「普及すればコストは下がる。(断水への不安がある)高層マンションのデベロッパーや管理組合からも相談を受けた」と語る。

 災害時に必要な水の備蓄量は、1人当たり1日3リットルで3日分とされる。家族の人数が多ければ、ペットボトルの本数が増えてしまい、自宅に保管するのは難しい。

 この問題を解決しようと、「アクアテクノロジー・プラス」(和歌山県)は、貯水タンク付きの浄水器「TAMEZOU(タメゾウ)」の商品化に取り組む。

 タンクはステンレス製(容量150リットル)で、普段は水道水をため、浄水器を通して飲用や調理に使用する。地震が起きた場合は自動的にタンクの弁が閉まり、揺れで濁った水道管の水が流入しない仕組みとなっている。

 同社の戸口茂幸社長は阪神大震災で電気の復旧工事に携わった経験があり、現在は防災士の資格を持つ。「災害がくる前に準備し、災害後も困らない街づくりをしたい」。価格は60万円程度で、当面関西地方のみの販売を想定。全国展開も検討するという。

 災害時の歯みがきに重宝する商品も。「トライフ」(横浜市)が販売する「オーラルピース」は植物由来の成分でできており、「食べられる口腔(こうくう)消毒剤」として使えるのが特徴だ。ジェル(税込み1320円)とスプレー(同1100円)がある。

 元々はうがいが難しい高齢者や障害者向けに開発され、災害時にも使われるようになった。「口の中が汚れたままだと、誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こしてしまう」と同社の手島大輔社長。2016年の熊本地震や今年の台風などの際には被災地に無償提供した。

 「自分にできることで誰かを助けられれば」と語る手島社長は将来、世界の災害現場や難民の避難キャンプを訪れ、自社製品を配りたいという。

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