話題・その他

関電首脳人事に外部登用の声 内部反発必至もガバナンス改革急務

 関西電力役員らの金品受領問題では、取締役会や監査役会が機能せず、ガバナンス(企業統治)の崩壊を露呈した。第三者委員会の調査でうみを出し切り、辞任する岩根茂樹社長の後任や空席の会長に適切な人物を据えられるかどうかが今後の焦点だ。原発再稼働や顧客獲得への影響も懸念される。急務の関電再生に外部人材の登用を推す声も出ている。

 「改革のため会長は外部から」。業界関係者の間では後任人事で臆測が飛び交う。代々生え抜きがトップの座を守ってきただけに関電内部の反発は必至だが、東京電力が東日本大震災後に社外から会長を招いた例もある。今回の問題で原子力部門を中心に幹部が大量退陣に追い込まれており、今後の調査で疑惑が拡大すれば外部人材の起用が現実味を帯びる。

 後任社長は副社長の森本孝氏や彌園豊一氏、稲田浩二氏が有力とされる。人選に当たる「人事・報酬等諮問委員会」が社外取締役主導でどこまで改革に踏み込むか問われそうだ。

 新経営陣はガバナンス改革を急ぐ必要がある。多額の金品を受領しながら長年組織的な対応をせず、取締役会には報告も上がっていなかった。問題把握後も監査役会は具体的な動きを起こさず、事案を公表しなかった隠蔽体質も根深い。

 2020年以降に予定する原発の再稼働も懸案だ。高浜原発1、2号機(福井県高浜町)など3基で安全対策工事を進めているが、必要な地元同意に今回の問題は逆風となる。稼働済みの4基もテロ対策施設の完成が期限に間に合わなければ運転停止に追い込まれる。

 電力小売りの自由化で新電力各社が攻勢をかけていて、関電は苦戦している。原発7基のフル稼働で電気料金を引き下げるのが悲願だが、遅れれば電力販売は価格競争力を失い、顧客流出に拍車が掛かりかねない。

 企業のガバナンスに詳しい久保利英明弁護士は「株主や利用者と誠実に向き合うかどうかが問われている。電力会社が誰のために存在するのか議論を徹底し、出直し的な改革が必要だ」と指摘した。

【用語解説】関電金品受領問題

 関西電力高浜原発が立つ福井県高浜町の建設会社「吉田開発」が2018年1月、国税当局の税務調査を受けたのを機に、関電役員らが町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領していたことが発覚した。関電の岩根茂樹社長は今年9月の会見で、本人を含む20人の約3億2000万円相当の金品受領を公表し謝罪したが、原子力部門だけではなく送配電部門や子会社の幹部も金品を受け取っていたことが判明。八木誠会長が10月9日に辞任、岩根社長は第三者委員会の調査結果報告日付で辞める。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus