遊技産業の視点 Weekly View

「社会の理解を仰ぐ」とはどういうことなのか

 ■ワールド・ワイズ・ジャパン代表LOGOSプロジェクト主幹 濱口理佳

 遊技業界は“カジノ以前も以降も”その存在と比較され、影響を受け続ける可能性が指摘される背景で、昨今、行政の講話をはじめ、頻繁に業界団体のあいさつなどで「社会の理解を仰ぐ」「社会の納得を得る」との言葉がキーワードのように発せられている。だが一体、社会の理解を仰ぐ、社会の納得を得るとは、具体的にどういうことなのだろうか?

 パチンコ・パチスロという娯楽に関して、遊技業界が社会に何を伝え、どのようなアプローチを図ることなのか。遊技産業として、またパチンコ・パチスロに関連する企業が、社会に対してどのように社会的責任を果たしていくことなのだろうか。

 業界では「大衆娯楽」という定義についても、手軽とか身近という行政の言葉を借りた表現が主に用いられている。確かに監督官庁の指針に沿うのが無難ではあるものの、その曖昧でぼんやりとした定義に安住し、業界としてその定義を吟味して、自らの言葉で表現することを怠っているようにも感じられる。だが、この定義が具体的に定まらない限り、「社会の理解を仰ぐ」「社会の納得を得る」といった行動に向けて、産業として業界を挙げて具体的に何をすればよいのかも、どのようにアプローチするのが有効なのかも見えてこないのではないか。

 企業としては、それぞれの企業理念に沿った展開が期待されるところだが、それにしても「大衆娯楽パチンコ・パチスロ」に関わる企業であるという立脚点がぼやけていては、明確なメッセージをステークホルダーや世間に伝えることは困難だ。

 周囲の価値観や視線を気にして、これに応えようとする前に、自らがどう在りたいかを示すことができなければ、常に周りの評価にのみ左右され、そのたびに産業や企業の業況が大きく左右されてしまう。

 自分たちの業の本質がどこにあって、社会に対して何をアピールできて(社会に対する役割確認)、さらにどこに向かって成長していきたいのか。ヒトが人生を考えるのと同じように、業の「生死」を具体的に考えたい。

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【プロフィル】濱口理佳

 はまぐち・りか 関西大学大学院文学研究科哲学専修博士課程前期課程修了。学生時代に朝日新聞でコラムニストデビュー。「インテリジェンスの提供」をコアにワールド・ワイズ・ジャパンを設立。2011年、有志と“LOGOSプロジェクト”を立ち上げた。

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