知恵の経営

中小特化のビジネススクール開講に見る、その重要性 (1/2ページ)

 来年4月より、日本初の「中小企業人本経営(EMBA)プログラム1年コース」が、千葉商科大学大学院商学研究科と筆者が会長を務める人を大切にする経営学会とが共同し、開講することが決定した。(経営学者・元法政大学大学院教授 人を大切にする経営学会会長・坂本光司)

 開講の目的は、大きく2つある。1つは、中小企業経営に特化したビジネススクールがわが国には存在しないからである。大企業と中小企業の最大の違いは、規模ではなく、生きる世界・生きる使命が違う。あえて海の魚に例えれば、大企業は深みで泳ぐクジラのような生き物であり、一方、中小企業は浅瀬で泳ぐ魚ともいえる。

 それゆえ、深みで生きるべきクジラが浅瀬に入り込むと引き返すこともできず命を失う。逆に中小企業が浅瀬は嫌いと、深みに行けば、多くの場合、クジラの餌になるか、クジラの「しもべ」になるのは当然である。

 しかしながら、あえて言えば、大半の大学や大学院ビジネススクールでの教育は、僅か0.3%しかない経営管理論を中心とした大企業向けの経営学といっても過言ではない。つまり、99.7%を占める中小企業のあるべき姿である、浪花節的・大家族的経営学ではない。このことが、右肩上がり経済社会が終焉(しゅうえん)した、ここ数十年間の中小企業の激減の要因の一つでもある。

 そこで今回、かねてより、このことの重要性を説いていた人を大切にする経営学会と、中小企業にとりわけ思いの強い千葉商科大学とが連携し、日本初の中小企業経営に特化したプログラムを開講することにしたのである

 もう一つは、企業経営の最大の目的・使命である関係する人々の幸せのための経営学を教え学ぶことのできるビジネススクールがわが国にはほとんど存在していないからである。

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