テクノロジー

アマゾンに“のぞき見”余地 家庭用カメラ、人間介在でAIを訓練

 米アマゾン・コムはホームセキュリティーカメラ「Cloud Cam(クラウドカム)」について、「昼夜を問わず自宅を監視するために必要な全て」を提供すると宣伝動画で説明している。だが実際は、目に見えないところで同社従業員の支援が必要だ。

 数十人がレビュー

 インドとルーマニア在勤のアマゾンのスタッフ数十人がクラウドカムで記録された映像の一部をレビューしていると、同プログラムを直接知るか作業経験のある関係者5人が明らかにした。そうした映像は、人工知能(AI)アルゴリズムを訓練し、実際の脅威(自宅への侵入者)と誤報(ソファに飛び乗った猫)をより正確に区別する能力の向上のために使われるという。

 ブルームバーグの4月の報道によれば、アマゾンのチームは音声アシスタント「アレクサ」についても顧客の自宅で録音されたコマンドを書き起こし、注釈を付ける作業を行っている。

 クラウドカムはそよ風で紙がカサカサ鳴っただけでアラートを発し、アレクサやアップルの「Siri(シリ)」はコマンドを聞き間違う場合が依然としてある。いずれエンジニアがそうした問題を克服するかもしれないが、今のところAIは人間の手助けを必要としている。

 アマゾンの広報担当によると、レビュー用の映像は社内の担当者から送られてくるほか、クラウドカム所有者から不正確な通知や画質といったトラブルを解決するために提供される。「当社はプライバシーを重視しており、クラウドカムの顧客が自らの映像を管理できるようにしている」と広報担当は指摘し、修理目的で動画が提出されない限り、「映像を見ることができるのは顧客のみ」と説明した。

 不適切内容も含む

 クラウドカムのユーザー規約のどこにも、人間がアルゴリズムを訓練していると明示されている部分はない。全ての映像が自発的に提供されたものだとするアマゾンの主張にもかかわらず、顧客が見られたくないと思うであろう映像がレビュー対象になったこともあると関係者2人は語る。

 ただ、不適切なコンテンツを含む映像には区別するためのフラグが付けられ、その後破棄されるため、AIの訓練に誤って使用されることはないという。アマゾンの広報担当は、そうした映像は破棄されレビュー担当者の経験の質向上を図っていると説明したものの、自発的に提出された映像になぜ不適切な内容が含まれていたかについては触れなかった。

 クラウドカムは2017年発売で、アレクサ搭載のスマートスピーカー「エコー」と並び、スマートホーム市場で優位に立とうと目指すアマゾンの主力商品の一つ。(ブルームバーグ Natalia Drozdiak、Giles Turner)

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