テクノロジー

「はやぶさ2」地球へ出発 試練の連続…培われた技術

 小惑星リュウグウで全ての任務を完璧にこなしたはやぶさ2。想定外の事態に直面しても、綿密な検討と工夫で困難を乗り越えた。トラブルが多発した初代はやぶさの反省を十二分に生かし、日本の宇宙探査技術の進歩を世界に示した。

 最大の試練は2月の着地だった。リュウグウは予想に反して岩だらけで、安全に着地できる場所がほとんどない。チームは降下訓練で機体の性能を徹底的に調べ、設計上の性能を大幅に上回る精度を引き出して狭い平地への着地に成功。初代の失敗を繰り返すまいとする意地もうかがえた。

 2回目の着地は重大な決断を迫られた。人工クレーターを作り地下の物質を露出させる準備作業は見事に成功したものの、着地には慎重論も出た。失敗すれば、2月に採取した物質すら持ち帰れない恐れがあったためだ。だが緻密な分析で安全を確保できると判断し、実施に踏み切った。慎重さと大胆さを併せ持つチームの底力が出た形だ。

 復路の成否はイオンエンジンが鍵を握る。初代はやぶさは4基が全て故障し危機に陥った。耐久性の向上策によって最後まで正常に飛行できるか注目される。

 小惑星探査で世界トップの地位を確立した日本。現時点で後継の計画はなく、次は火星の衛星で初の物質採取を狙う。メンバーの多くを引き継ぎ、着陸点の選定などでノウハウを役立てる。2024年に探査機を打ち上げる予定で、培った技術を新たな舞台で生かせるか世界が注視している。(草下健夫)

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