遊技産業の視点 Weekly View

ベトナム・ハノイのカジノ事情

 □シークエンス取締役、LOGOSインテリジェンスフェロー・木村和史

 ベトナム社会主義共和国の首都ハノイは、ベトナム北部に位置する古都である。市域の人口は約700万人、豊富な若年労働層を基盤とした確かな経済成長は、日進月歩という言葉にふさわしく、その変遷は手に取るようにわかる。開発にともなって市内は工事車両と一般車両とバイクが交雑し、慢性的な渋滞とともに、大気汚染は深刻になっている。

 去年の11月に大気汚染の程度を示すAQI(空気質指数)の平均値がハノイは204とジャカルタ(インドネシア)を抜いて世界一位になった。この指数は100を超えると健康に影響が生じるレベルであり、日本では平均値が100を超える都市はない。今回、私が滞在した12月中旬には、ついにスポット値ではあるが、この数値が333を記録するなど、とんでもない状況になっている。そんなハノイだが、トリップアドバイザー(旅行口コミサイト)の2019年人気観光都市ランキングでは、並み居る世界都市のなかで15位にランクインしている(ちなみに東京が16位、香港が22位)。

 さて、ベトナムのカジノ事情だが、この国のカジノは高級ホテル併設型のディーラーのいない有償ゲームセンター方式と、統合型カジノリゾート(IR)方式に大別される。だが、ハノイでは全ての施設がホテルに入居もしくは併設型の有償ゲームセンター方式となっている。

 2017年1月、ベトナム政府は、規制を緩和しギャンブルを一部合法化した。カジノについても、政令第03号/2017/ND-CPの発布で、ベトナム人のカジノ入場を条件付きで認めることとなった。入場の条件は、満21歳以上、民事行為能力を有することに加えて、一定額以上の収入証明が必要となり、また施設への入場には100万ベトナムドン(約5000円)が入場料として徴収されるなど、いまのところ入場者を富裕層に限定したい政府の意向がうかがえる。さらに、ベトナム人の入場が可能な施設の要件として、総投資額40億ドル以上の統合型リゾート内のカジノ施設と限定されており、いずれにせよハノイでは内国人が入場できる施設はないということになる。

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【プロフィル】木村和史

 きむら・かずし 1970年生まれ。同志社大学経済学部卒。大手シンクタンク勤務時代に遊技業界の調査やコンサルティング、書籍編集に携わる。現在は独立し、雑誌「シークエンス」の取締役を務める傍ら、アジア情勢のリポート執筆なども手掛ける。

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