現場の風

帝国ホテル 「気配りや気働き」で五輪に貢献

 帝国ホテル東京総支配人・金尾幸生さん(58)

 --東京五輪・パラリンピックまで半年を切った。大会期間中、東京では特に酷暑が懸念される

 「われわれホテルは社会の公器だと自覚している。東京の夏の厳しい気象条件を考えると、ホテルに宿泊されるお客さまはもちろんだが、近くの通行人で、暑さや湿度で気分が悪くなって駆け込んでこられる方がいるかもしれない。そうした場合にも対応できる態勢を整えたい。体調不良の方を介抱、介助できるよう技術を会得したり、病院などへ搬送する連絡態勢を整えたり、われわれとしてできる最大のことを考え備えようと、従業員に呼びかけている」

 --五輪イヤーは外国に向けて日本を発信する機会となる。帝国ホテルの考える日本のサービスやおもてなしとは

 「おもてなしはサービスの一部分だ。サービスは対価の伴うもので、無料のサービスはない。一方、おもてなしとは、気配りや気働きのことで、お客さまに対しどんな風に対応して差し上げようかと考えることだと思う」

 --具体的には

 「例えば、レストランでコーヒーを飲んでいるお客さまにお代わりを注ぐとする。お代わりをする行為はサービスなので、お客さまからは対価としてコーヒー代をいただく。では、どの時機に注いで差し上げるか。経験豊富なスタッフともなると、お客さまが飲んでいるカップの角度から中身があとどれほど残っているかが分かる。残りが少なくなってくると口元に運ばれたカップの角度が急になって、その動きから、カップの中身は見えないが、残りの量が少なくなっていることを察する。お客さまには『なぜ分かったのか』と驚きつつも喜んでいただける。大会期間中も東京を訪れた方々に日本、東京の良さを認識していただきけるよう貢献したい」

【プロフィル】金尾幸生

 かなお・ゆきお 筑波大卒。1984年3月、帝国ホテル入社。2016年4月、取締役常務執行役員帝国ホテル東京副総支配人、帝国ホテルサービス代表取締役社長などを歴任。17年4月、帝国ホテル東京総支配人兼人材育成部担当を経て、18年4月より現職。京都府出身。

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