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梱包資材通販、効率生産で成長 ダンボールワン、提携工場の空き時間活用

 インターネットでオリジナルの段ボールを1箱から注文でき、最短で翌日に届く。梱包(こんぽう)資材の製造とネット通販サイトを運営するダンボールワン(石川県七尾市)が、中小の通販事業者やフリマアプリ利用者の需要に応え、急成長している。全国の提携工場の空き時間を有効活用するビジネスモデルで、東京商工リサーチによると、段ボール・梱包資材通販サイトで売り上げは国内首位だ。

 取引先20万社に

 もともとは段ボール製造のみの零細企業。現在の辻俊宏社長が入社した2005年当時は会社にパソコンがなく、在庫管理は分厚いファイルだった。ネット通販事業を任されたが、半年間の売り上げは1件7000円。期待が失望に変わり、「パソコンばかり見て仕事は来るのか」と冷たい視線にもさらされた。

 周囲を見返そうと奮起し、営業のかたわら、休日も他業界の成功事例を学び、現在の通販サイトや自動見積もりシステムを作り上げた。かつては10社だった取引先が現在は企業と個人で20万社近くに増加。従業員も約5倍の約50人にまで拡大した。

 強みは顧客のニーズに応じた多様なサービス展開だ。通販サイトでは24時間見積もりができ、発注方法は「即日」「通常」「最安」の3種類を用意。用途に応じて大きさや形状なども選べるようにした。即日は午後1時までに注文すれば、その日のうちに作って出荷。納期を優先するため、富山、石川両県にある三つの自社工場で製造する。

 一方、最安は届くまでに1週間以上かかるが、各地の提携工場約100拠点の空き時間に製造してもらうことで、即日に比べて単価が半額程度に抑えられる場合もある。提携工場の一つである石王丸紙業(富山県高岡市)の石王丸久之社長は「閑散期の穴埋めができて生産が平準化し、売り上げも増えた。ウィンウィンだ」と歓迎する。

 「即日出荷は便利」

 全国段ボール工業組合連合会によると、段ボールの生産量は10年から9年連続で増加。通販の拡大や段ボールの小型化で需要が伸びているという。辻社長は「段ボールは付加価値を与えにくいので、サービスで違いを出したい」と語る。

 ダンボールワンのサイトをよく利用する洋菓子製造・販売のアニバーサリー(東京都)は、数十枚ずつの発注が多い。同社の小田長君枝さんは「オーダーメードなのに即日出荷は便利。在庫を持たなくて済む」と喜ぶ。

 今後はIoT(モノのインターネット)の活用などで提携工場の稼働状況を自動的に集約するシステムを作って発注を効率化し、一層のコストダウンを図る考えだ。辻社長は「隙間時間のシェアリングは、後継者難や競争力低下に直面する業界の活性化につながる。梱包資材のプラットフォーマーを目指したい」と意気込む。

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