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米欧に遅れた重力波観測…日本は存在感示せるか かぐら稼働

 かぐらの本格稼働で、日本の重力波観測はようやく米国や欧州と同じ土俵に立った。観測は国際協力が前提となるため、単独で成果を挙げるのは難しい。今後は安定的に稼働させながら、日本の存在感をどれだけ示せるかが問われる。

 かぐらは米欧の施設と異なり、観測の障害となる振動が少ない地下に建設。観測機器の心臓部で、レーザー光を反射させる鏡も高精度なサファイア製を使った。観測を通じて技術の有効性が実証できれば、各国で建設される次世代の観測施設にも生かされる。

 極めて微弱な重力波の観測には、1億分の1ミリのさらに1億分の1のわずかなゆがみを検出する精密さが求められる。かぐらは昨年10月の完成後も、地表の風雨や数十キロ離れた海岸に打ち寄せる日本海の荒波などによる振動が「雑音」となり、対策に手間取って稼働が遅れた。

 重力波を捉える感度は当面は米欧に劣る。2024年に同じ水準に引き上げる目標を達成するには、観測のノウハウを蓄積する必要がある。それまでは「米欧の施設がメンテナンスで休止中に、かぐらが観測漏れを防ぐなどして存在感を示す」(東京大関係者)ことになる。

 日本は1990年代に重力波の観測競争で世界をリードしていたが、その後は予算不足などで失速し、いまや米欧に大差をつけられた。この遅れを挽回し、確かな観測拠点としての地位を築けるか、これからが正念場だ。(小野晋史)

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