金融

緊急経済対策、各項目の詳細は 申請できるものは迷わずに

 政府の緊急経済対策は新型コロナウイルスの影響で困窮した家庭に手を差し伸べ、資金繰りに行き詰まった企業を支える施策を盛り込んだ。緊急事態宣言で日本経済の停滞感はさらに強まっており、各施策の執行のスピードが重要になる。項目別にまとめた。

 【自己申告で30万円給付】

 収入が大きく減った世帯には30万円の現金を給付し、当座のやり繰りを下支えする。

 対象は2~6月のいずれかの月に、世帯主の月収が減って年収に換算すると住民税非課税の水準になる世帯だ。東京23区内に住む会社員であれば、専業主婦と子供2人の4人世帯で年収約255万円以下、単身世帯では約100万円以下だと条件に当てはまる。

 さらに、住民税を課される収入があっても、月収が半分以下に減って、年収換算で住民税非課税水準の2倍以下に落ち込む世帯も対象になる。

 手続きは市区町村の窓口への自己申告制だ。給与明細など収入減少を証明する書類を提出すれば、支給を認める。ただ、給付の条件が複雑で分かりにくく、窓口に人が殺到して混乱することも懸念される。政府はオンラインで申請できるようシステムを整備するなど手続きを簡便にして、早期の支給開始を目指す。

 また、子育て世帯への支援として児童手当を受給している世帯に子供1人当たり1万円を追加給付する。0歳から中学生まで月に1万~1万5千円の児童手当を受給している世帯が対象。夫婦と子供2人の世帯の場合、世帯主の年収が960万円以上だと除外になる。

 【持続化給付金で事業支援】

 苦境にある中堅・中小企業や小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主などを対象とした「持続化給付金」をつくる。事業の継続を支え、雇用を守る。給付が始まるのは最も早くて5月中になりそうだ。迅速な給付につなげるため、政府はオンラインでの申請を原則とする方針。

 給付対象者は、新型コロナによる需要蒸発などで業績が急降下し、事業継続に困っている中堅・中小企業や小規模事業者、個人事業主など。中堅・中小企業などの法人には最大200万円、個人事業主などには最大100万円を給付する。事業全般に広く使うことができ、返済の必要はない。

 給付の条件は、新型コロナの影響で売り上げが前年同月比で50%以上減少している場合とした。中小企業や個人事業主などは、売り上げの減少を証明する書類などを用意し申請する。

 【緊急小口継続、20万円まで】

 休業や失業で生活が苦しくなった人に向けては、無利子、保証人不要でお金を貸し付ける特例措置を継続する。

 主に休業した人を対象とする「緊急小口資金」では緊急かつ一時的に生計が維持できなくなった場合、最大20万円を借りられる。最長1年間は返済が猶予され、その後の返済期間は2年以内となっている。

 また、主に失業した人向けの「総合支援資金」では、生活再建までに必要な資金を2人以上の世帯であれば月20万円、単身世帯は15万円まで、最大3カ月分借りられる。1年の返済猶予を経て、返済期間は10年以内となる。

 休業・失業していなくとも収入が減少していれば貸し付けの対象となり得る。返済時点でも所得の減少が続き、住民税が非課税の世帯であれば返済が免除される。申し込む窓口は市区町村の社会福祉協議会となる。

 【雇用助成金の比率引き上げ】

 業績が悪化した企業による解雇や雇い止めを防ぐため、従業員を一時的に休業させるなどして雇用維持を図る事業者に休業手当や賃金の一部を助成する「雇用調整助成金」を拡充した。助成率をリーマン・ショック時と同水準に引き上げたほか、正規・非正規を問わず全従業員を対象とし申請手続きも簡素化した。適用期間は4月1日~6月30日。

 助成率は通常の場合、中小企業が3分の2、大企業が2分の1だが、今回は中小企業が5分の4、大企業が3分の2に引き上げる。また、一人も解雇しなかった場合はさらに上乗せし、中小企業は10分の9(大企業は4分の3)とする。

 この助成金は売上高が減っても従業員を解雇せず、休業手当を支払って雇用を維持した企業が対象になる。直近1カ月の売上高が前年同期に比べ5%以上減ることなどを要件とする。

 緊急経済対策は、新型コロナウイルスの感染が収束した後にも目配りした。人と人との接触を避けるための外出自粛により、需要が大きく減退している観光、飲食、エンターテインメント業界。収束後の半年間、客を呼び込んで需要を急速に回復させるため、クーポン配布やポイント還元などを実施する「Go To キャンペーン」を行う方針だ。

 旅行業界向けには、国内観光旅行の商品を購入した消費者を対象に、宿泊代や飲食店などの代金が半額になるクーポンを付与する。ただ、最大で1泊1人当たり2万円までの制限付きだ。

 飲食業界向けには、インターネットの飲食予約サイト経由で来店した人に各サイトで利用できるポイントを還元。最大で1人当たり1千円分を獲得できる。また、キャンペーンに登録した飲食店で使える2割程度の割引食事券も発行する。

 イベント業界でも同様に、チケット会社経由でイベントやコンサートなどのチケットを購入した人には、2割程度の割引クーポンを配布する。

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