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税金・金融取引で“脱はんこ”…現場には戸惑いも 「電子認証だけでは…」 (1/2ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 菅義偉首相が押印の原則廃止に向けて「すべての行政手続きの見直し方針をまとめていただきたい」と全省庁に対応を指示したことで、“脱はんこ”の流れは本格化した。デジタル化やオンライン化によって、税金の手続きや民間の商取引でも押印廃止の動きが広がるとみられている。ただ、デジタル化への移行には高齢者への配慮など課題もあり、金融分野で深く根付いた「はんこ文化」の改革は一朝一夕にはいかなそうだ。

 きっかけは、河野太郎行政改革担当相の発言だった。「ただはんこを押したという事実だけが必要なケースの場合、すぐにでもなくしてしまいたい」。9月23日のデジタル改革閣僚会議の初会合で河野氏がこう発言したと報じられると、SNSでは「ほんとにハンコなんていらない」「これは前進だ」と賛同する声が一気に広がった。河野氏は翌24日、行政手続きで印鑑使用を原則廃止するよう全府省に文書で要請。新型コロナウイルス感染拡大によるテレワーク(在宅勤務)が広がる中、押印のためだけに出社せざるを得ない状況を「非効率」と感じていた国民も少なくなく、“脱はんこ”の流れが加速した。

“脱はんこ”と表裏一体のデジタル化には課題も

 さまざまな“副業”が広がった今、サラリーマンの確定申告も珍しくはなくなった。通常は勤務先の企業が年末調整の手続きをするが、給与以外の所得が年間20万円を超えたりした場合は確定申告の対象となるからだ。インターネットで手軽に物品の売買などができるようになり、気が付けば副収入が20万円を超えていたということもあるかもしれない。こうした確定申告や年末調整などで、押印が廃止される可能性もある。

 税務申告ではんこが不要となるのは歓迎すべきことのようにも思えるが、課題もあるという。税理士でもある立正大の浦野広明客員教授(税法学)は「不要なはんこの廃止には賛成だが、押印の代わりに電子申告のe-Taxへ完全移行するようなことになれば、対応できない人も出てくる恐れがある」と指摘する。e-Taxは国税庁が運営する電子申告・納税システムだが、すべての人がデジタル化の恩恵を享受できるわけではない。パソコンやスマートフォンの操作に慣れない高齢者にとっては「確定申告や還付申告ができなくなる」(浦野教授)というのだ。

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