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外食各社が体力奪われ倒産加速も 夜の営業制限、打開策模索に限界

 外食各社が新型コロナウイルス下の存続を懸け、悪戦苦闘している。首都圏の緊急事態宣言で夜の営業を制限され、経営環境は一段と悪化した。不採算店舗の閉鎖に加え、ランチ営業や持ち帰り強化など懸命の業態転換を試みているが、外出自粛で需要が消える状況では有効な打開策は容易に見つからないのが実情だ。

 「生き残り策を考えるしかない。できることは何でもやっている」。緊急事態宣言の対象地域となった首都圏の1都3県で居酒屋などを約10店舗展開する中小企業の幹部は悲痛な思いを語る。

 新たにランチ営業を始めたり、持ち帰り用の商品を出したりしてきた。売り上げの減少を補おうと昨年末にはおせちも販売した。今回、時短要請には従うが、休業を考えている店もある。幹部は「多くの会社が既にじり貧だ。体力がなくなったところからつぶれるしかない」と話す。

 東京商工リサーチによると、2020年の飲食業の倒産(負債額1000万円以上)は842件で、東日本大震災のあった11年の800件を上回り、過去最悪となった。外食業界は比較的参入しやすく、個人事業主も多い。担当者は今回の緊急事態宣言で「倒産や廃業が加速する可能性がある」と予想する。

 大手も苦境は変わらず、不採算店舗の閉店が進む。ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングス(HD)はこれまでに約90店を閉めると発表した。うどん店などを展開するグルメ杵屋は80店程度を閉店する方針。リンガーハットも不採算店の撤退を順次進めている。

 ワタミは店舗の中核だった居酒屋の先行きについて「非常に厳しい状況が続く」(渡辺美樹会長)と危機感が強い。比較的客足の戻りが早かった焼き肉店などに業態を転換。人員を削減せずに存続を目指す。

 すかいらーくホールディングスはファミリーレストラン「ガスト」の中に持ち帰りもできる唐揚げ専門店の併設を進め、在宅需要を掘り起こす。

 船井総合研究所の二杉明宏フード支援部部長は外食産業の今後について「在宅勤務で需要が激減したオフィス街から郊外に立地を移したり、弁当販売やランチ営業など新たな店の『顔』をつくったりする必要がある」と指摘している。

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