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航空大手、ドローン事業に活路 安全への知見生かし実験加速       

 小型無人機ドローンの規制緩和を見据え、航空大手は今年、旅客機の運航で培った安全の知見を生かし、ドローンによる物流の事業化に向けた検証を加速させる方針だ。新型コロナウイルス禍に見舞われた昨年には薬や検体の輸送実験を実施。本業が深刻な打撃を受ける中、新事業として「テークオフ」できるかどうか注目が集まる。

 政府は2022年度に操縦者の目の届かない距離で市街地上空を飛行させる「レベル4」の実現を目指し、航空法改正などルール整備を進めている。ドローンの事業化に乗り出す企業は少なくないが、乗務員ら「安全のプロ」の職種も関わり、有人機運航の手法や考え方を取り入れて、他業種との違いを際立たせたい考えだ。21年度には都市部や長期間の実験を重ね、早期実用化を目指す。

 機動性が高い半面、運べる量が限られ、付加価値の高い物の輸送が見込まれる。全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスはコロナ禍の昨年、薬の輸送実験を重ねた。担当者の保理江裕己さん(34)は「ビジネスとして有効なだけでなく『危ない』『不安』と思う人がいるドローンが、社会に溶け込む上でも意味がある」と話す。

 長崎県五島市の離島に子会社が開発したアバター(分身)ロボットを設置。遠隔地にいる医師の診療や薬剤師の服薬指導を受けた患者に、ドローンで処方薬を届けた。北海道旭川市、福岡市の能古島でも薬を輸送。実験はこれまで1週間程度だったが、今後は実際の運用を想定し日数を増やす方針だ。

 日本航空は、兵庫県養父市中心部の病院から15キロ以上離れた山あいの診療所まで、航続距離の長い固定翼ドローンで医療物資を運んだ。長崎・五島列島では、より重い物を運べる小型無人ヘリコプターを使い、コロナ対応を想定し検体を離島間で運んだり、鮮魚を九州本島まで輸送したりした。魚は長崎空港発の航空機で羽田に空輸された。

 現役乗務員らが、ドローンを事業に活用する企業などを対象に、安全の考え方を講習するプログラムを既に開始。21年度は東京都湾岸部で医薬品輸送実験を計画している。

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