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西鉄次期社長に林田専務昇格「新たな価値創造」 危機にあっても前向きリード

 西日本鉄道は21日、取締役会を開き、取締役専務執行役員の林田浩一氏(55)が4月1日付で社長に昇格する人事を決定した。倉富純男社長(67)は代表権のある会長に就く。林田氏は「新型コロナウイルス(の感染拡大)でかつてない危機に直面する中、バトンを受け継ぐ。地域や社会の課題解決に挑戦し、新たな価値を創造し、持続的に成長する西鉄をお見せするよう邁進(まいしん)する」と抱負を語った。(中村雅和)

 最良のタイミング

 「苦しいときだからこそ若い力が必要だ。ポストコロナでの構造改革や中期経営計画の策定、実行を一貫して担える最良のタイミングだと判断した」

 平成25年6月から社長を務める倉富氏は、林田氏とともに福岡市内の本社で記者会見し、この時期に社長交代を発表した理由をこう説明した。55歳での社長就任は112年の西鉄の歴史で4番目の若さだ。

 林田氏は小売りの西鉄ストア事業やホテル事業などを担当し、経営企画畑の経験も豊富で、会見で「全身全霊をかけて西鉄を新しく生まれ変わらせる決意だ」と表情を引き締めた。

 胆力がある

 倉富氏は昨年末、産経新聞のインタビューに対しコロナ下の経営者の条件として「苦しいときこそリーダーが頑張り、最後は決断する胆力があること」を挙げていた。

 林田氏については「ビジネスモデルの根本的な変革が必要とされる中、経営企画担当役員として各事業部門とともに、方向性を速やかにまとめた。若手時代に(上司部下の関係で)ともに仕事をしたが、しっかり汗をかいていた」と高く評価。社内からも「世の中の流れを俯瞰(ふかん)してみられる人だ。社内的にも部門間の壁がなく、フェアに裁ける。この人しかいない」と歓迎の声が上がる。

 ゼロから1を作る

 新型コロナは、西鉄の基幹事業である鉄道とバスはもちろん、倉富体制で強化したホテルや都市開発といった成長エンジンにも大きな影を落とす。

 回復基調にあった業績は昨年末からの「第3波」で再び落ち込む。令和3年3月期の連結業績予想は過去最大となる160億円の最終赤字を見込むが、林田氏は「来年度に赤字を残すというのはいかがなものか」と述べ、4年3月期の黒字化を目指す考えを示した。

 ただ、「3密」を避ける流れが定着すれば、人のにぎわいを収益化する従来のビジネスモデルが通用しなくなる。

 林田氏は「ニューノーマルに適応した事業に変革することが喫緊の課題だ。具体的な策はこれから議論の中で固めていく」と説明。それでも「ゼロから1を作る、開発型の仕事を長くやってきた。そういった取り組みは楽しいという実感がある」と述べ、危機にあっても、前向きにリードしていく姿勢を強調した。

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