リニア入札談合はこうしてバレた 大林組ら一部工事で「たたき合い」…受注調整不調


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 ゼネコンによる建設談合といえば、受注調整結果に対する強い拘束力があるとされる。しかしリニア中央新幹線の工事をめぐる談合事件では、一部で受注調整がうまくいかなかったために事件の突破口となった。

 「大成建設は名古屋新駅ビルのJRゲートタワーで赤(字)を出したが、当然、その地下に造るリニア名古屋駅新設工事を受注することで赤を埋めるものとみられていた」

 ゼネコン関係者がこう指摘するリニア名古屋駅新設工事は、地下約30メートルに現在の駅とほぼ直角に交わる形で建設される難工事だ。

 この工事は大成の共同企業体(JV)が受注する予定だったとされるが、実際は2工区に分割発注され、中央西工区は大林組と、発注元のJR東海子会社のジェイアール東海建設などのJVが受注した。関係者によると、JR東海側の意向で「本命」ではなかったJVが逆転受注した可能性があるという。

 リニア最難関といわれる「南アルプストンネル」(全長25キロ)工事は3工区に分けられ、大成JVが2工区、鹿島建設JVが1工区を受注した。実は大林組も受注を希望していたというが、大成から受注を見送るよう要請されたという。

 大林組が鹿島に受注の見送りを要請したのが、名古屋市の「名城非常口」新設工事。受注調整では大林組のJVに決まっていたとされるが、鹿島が選定過程で大林組に近い見積額を提示したため、大林組はJR東海社員から得た情報などを基にさらに低い見積額を提示して受注に成功した。この入札が、偽計業務妨害の疑いがあるとして談合事件の「入り口」になった。

 ゼネコン関係者は「名城非常口は大深度地下トンネル工事受注につながるから大林組も鹿島も絶対に落とせない工事。それで両社の間で調整がうまくいかなかったのでは」と話した。

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