JR西、新幹線台車亀裂で役員処分 降格と報酬返上、副社長の増員や検証委の設置も実施

新幹線の台車亀裂問題を受け、記者会見を行うJR西日本の来島達夫社長=5日午後、大阪市北区(恵守乾撮影)
新幹線の台車亀裂問題を受け、記者会見を行うJR西日本の来島達夫社長=5日午後、大阪市北区(恵守乾撮影)【拡大】

 新幹線のぞみの台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題を受け、JR西日本の来島達夫社長は5日、大阪市北区の本社で記者会見し、役員の降格や報酬返上などの処分を発表した。鉄道の安全確保業務を統括する吉江則彦・代表取締役副社長を5日付で取締役に降格させ、来島社長ら役員計11人の報酬を返上するなどした。 返上額は来島社長と吉江氏が報酬の5割を3カ月、真鍋精志会長が3割を3カ月とした。

 来島社長は「信頼回復に向けて一刻の猶予も許されない。新たな執行体制で難局に立ち向かう」と述べ、副社長は、新たに新幹線担当を設けて4人体制にするとした。また、今回の問題を人的要因の観点から検証する「新幹線重大インシデントに係る有識者会議」(座長・安部誠治関西大教授)を8日付で設置する。

 今回の新幹線運行に関わった現場社員については「重大なルール違反や故意の事象ではない」として懲戒処分の対象にはしないと明らかにした。

 今後の対策として、車両の異変を調べる保守担当の社員を増員し、駅に常駐させる方針を示した。有識者会議は安全工学や心理学の専門家からなり、3月末をめどに提言を取りまとめる。

 亀裂は昨年12月、博多発東京行き「のぞみ34号」で見つかった。現場社員や指令員が多くの異変を認識しながら運行停止の判断を他人任せにし、約3時間運転を継続していたことが判明している。