安室奈美恵の引退に思うこと 我々中年が「平成の歌姫」になかなか共感できない理由 (1/4ページ)

安室奈美恵の紅白出演を報じるスポーツ紙
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【常見陽平のビバ!中年】

 いやはや、実に気持ち良い歴史的大勝利だった。何の話かというと、紅白歌合戦のことである。

 NHKの「Chase the Chance」的な努力による安室奈美恵の電撃出演があり、特別枠とはいえ紅組が有利になるのではと懸念していたのだ。しかし、白組は総合力の強さを見せつけ3年ぶりの勝利をおさめた。これで対戦成績は白組37勝、紅組31勝となった。地デジデータ放送による視聴者投票が可能となっており、しかも出演者1組に対してどちらか1票を投じることができるシステムはどうなのかという声もあったが、勝ちは勝ちである。あっぱれ!

◆よく言えば安定感、悪く言うと無難だった

 X JAPANのYOSHIKIドラム解禁、Toshl への洗脳ネタいじり、欅坂46の構成員が3人倒れるなどのトラブルもあったものの、よく言えば実に安定感があるというか、悪く言うと無難な紅白歌合戦であった。桑田佳祐はいつになく上品だった。Perfumeを渋谷の超高層ビル「セルリアンタワー」の上で歌わせるのは、労働環境過酷でブラック企業みたいだったが……。

 なんと言っても株を上げたのは竹原ピストルだ。ナイスな歌いっぷりだ。彼はサントリーの缶コーヒーBOSSのCMに出演しているが、全国紙に掲載された同社の応援広告も素敵だった。「竹原ピストル。今夜はじめて彼を知る人がいる。いいなあ。きっと驚くよ。心を撃ち抜く、その歌に。」という粋なコピーだった。まさにその通りになったのではないか。

 総合司会のウッチャンも白組司会の二宮和也も安定感があった。有村架純はもっと司会を練習しろ、お前芸能人だろと言いたくなった。

 残念ながら、2部の視聴率は39.4%で歴代ワースト3位だったそうだ。とはいえ、大晦日の楽しみ方が多様化しているし、音楽自体、細分化している中、これだけの視聴率をとるのはあっぱれだ。実験的すぎて酷評された昨年と比べると私は安定感があって好きだった。もちろん、視聴率のためにも、多様性という意味でも、演歌を増やすべきではとも思った。もっとも、よく考えると演歌歌手も世代交代しており、今までの常連が出なくなっただけなのだが……。ナイスな紅白だった。

安室奈美恵には全く感動しなかった