政府、民間に衛星画像を無料提供 宇宙ビジネス育成後押し

 政府は、保有する観測衛星の画像データなどを民間企業に無料提供するシステムを整備する。宇宙から撮影したデータを農作物の生育管理やマーケティングなど商業目的で活用することを促す。海外に比べ出遅れている宇宙関連ビジネスの育成を後押しする狙いだ。

 対象となるのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する陸域観測技術衛星「だいち2号」や、米国の観測衛星「テラ」に搭載されている日本の観測センサーが撮影したデータ。今後打ち上げられる衛星への拡充も検討する。

 これまで企業が利用するには1件当たり数万~数十万円の費用がかかる上、大容量のデータの解析には高機能なソフトが必要とされ、民間利用が進まなかった。このため経済産業省が2018年度中に、衛星データを蓄積し、解析ソフトも自由に使える専用サイトを開発。登録した企業に無料で開放する。

 宇宙から地表を撮影する衛星データは広大な範囲を捉えることができるのが特徴で、ビッグデータの一つとして活用が期待されている。例えば、水田や畑の画像から作物の生育状況や収穫時期を判断するサービスなどを想定。画像内にある車の数を計測し新規の商業施設を建設する適地を探し出したり、大規模な工場などの建設状況を管理したりする事例が考えられるという。

 政府は、衛星データの公開が進めば新たなベンチャー企業やサービスが生まれ、30年度に最大で約3400億円の経済効果があると試算する。米国でも、政府がIT大手のアマゾン・コムやグーグルと協力して衛星データの公開を進めているという。