司法修習32人、返金猶予を申請 国貸与52億円、1700人が期限 弁護士、請求撤回求める

修習資金貸与金の貸与・返還状況
修習資金貸与金の貸与・返還状況【拡大】

 司法修習生の給与を国が支給する「給費制」が廃止され、希望者に修習資金を貸す「貸与制」となった世代の初の返済期限が来月に迫る中、5月末までに32人から最高裁に返還猶予の申請があったことが27日、分かった。貸与制の初年度にあたる司法修習65期には約53億円が貸し出されたが、前倒しでの返還は約7300万円(3月末現在)にとどまる。貸与制が適用された65~70期の「谷間世代」を救済しようと、弁護士有志が同日、最高裁に返還請求を撤回するよう求める申し入れ書を提出した。

 修習生には月約20万円を支給する給費制が適用されていたが、65期からは返還義務のある貸与制となった。71期からは月13万5千円を一律給付する制度が導入されたため、65~70期は谷間世代と呼ばれてきた。

 申し入れ書によると、貸与制の平均利用額は計約300万円。無利子で、修習終了5年経過後から10年間で分割返還する。65期は7月25日が初の返還期限で、最高裁は貸与金が残る約1700人(約52億円分)に通知書を発送している。

 谷間世代への支援を求め、5月の日本弁護士連合会定期総会では最高裁に返還請求撤回を求める発議が出されたが、否決された。

 貸与制では返還が猶予される場合もあり、日弁連の貸し付け制度もあるが、申し入れ書は「貸与世代のみ給費が行われなかったのは明らかに不公平」と指摘。一方、裁判所内では「法律に従って通知しているだけ」と困惑する声もある。