【IT風土記】長崎発 離島活性化の起爆剤となるのか 電子化された地域通貨「しまとく通貨」の挑戦 (1/3ページ)

 特定の地域内に限って通常のお金と同じように使うことができる「地域通貨」。地域の経済やコミュニティーの活性化を期待して全国各地で導入されている。長崎県の壱岐島や五島列島といった離島の自治体が連携し、スマートフォンや携帯電話を使った電子地域通貨「しまとく通貨」の運用をスタートさせた。ITを活用した金融サービスのフィンテックを活用した地方創生の代表例として注目を集めている。

 閑散期限定、スマホにスタンプをポンで決済

 福岡市の北西約80キロの玄界灘に浮かぶ壱岐島は、古代から大陸と日本を結ぶ交通の要衝として長い歴史を刻んできた島だ。『古事記』の国生み神話で誕生した島の一つで、「邪馬台国」の存在を記した中国の歴史書『魏志倭人伝』にも登場する。島内には、歴史を裏付ける数々の神社や遺跡、豊かな自然に魅せられ、年間50万人以上の観光客が訪れる。

 壱岐島の玄関口、郷ノ浦港から2キロほどのところにある「あまごころ壱場(いちば)」は観光客に人気の立ち寄りスポットだ。土産物の品ぞろえは島内で最大級。地元産品の販売コーナーのほか、地元名産のウニ料理などを堪能できるレストランがあるこの店も昨年10月から壱岐市などが始めた電子地域通貨「しまとく通貨」を導入した。

 「しまとく通貨」の会計はちょっと風変わりだ。買い物をした観光客は会計の際、スマートフォンの画面を店員に提示する。すると、店員は電子スタンプを取り出して、スマホの画面にスタンプをポンと押す。電子スタンプは、スマホや携帯電話に直接タッチするだけでしまとく通貨を個別に照合し、使用済みとして処理する。

「しまとく通貨」は電子スタンプをスマホに押し当てて会計する

「しまとく通貨」は電子スタンプをスマホに押し当てて会計する

人気が高まるにつれて、さまざまな課題が浮き彫りに