慎重な人か、能天気な人か… ヘッドハンターにきいた転職に成功する人の性格 (3/5ページ)

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 --いい事例ですね。慎重な人が成功する事例についてはどうでしょうか。

 【B】新天地で自分がやるべきことに関して、面接で慎重かつ的確な質問ができる人は、企業側も「おー、さすがだな」と安心します。企業ごとに「ここを聞かずに入ってこられちゃ困るよ」というポイントがありますから、そういう点では慎重派のほうが有利。業種で言うと、経理畑や法務畑は慎重で細かい人が多い印象です。

 【A】能天気はNG、慎重な人じゃなきゃダメなポジションというのもあります。例えば、会計の不祥事で営業トップを交代させるときや、新しく内部統制部門をつくるとき、ここには必要以上に慎重な人を配置したほうがよい。「すごく堅い人が来た」と、社内にもメッセージが伝わります。

 【C】あるメーカーの管理部門の50代部長の例がわかりやすい。とても慎重で穏やかな人柄でした。考え方に軸があるので単純に「いい、悪い」「イエス、ノー」ではなく「自分の考えはこうだからノーです」「でも、ここまでだったらいいです」と丁寧に説明できる人でした。転職先でも「あなたが言うならわかった」と、周囲からも絶大な信頼を得るようになったそうです。

 “一休さん”では企業側は物足りない

 --転職のしやすさで、両者に差はありますか?

 【C】社風やオーナーの考え方、業務内容にフィットするかどうかじゃないでしょうか。ただ、それより何より「この人に任せれば大丈夫だ」というスキルとパーソナリティを本人が持っていることが大前提でしょう。スキルの軸で言うと、やはり専門性の深さ。そこをいかに年齢とともに深めているかが重要。その年齢に合った、あるいはそれを上回る専門性の深さがあれば、どこの会社も興味を示すと思います。

 【B】慎重な人は、相手から出てきたもので判断する傾向があります。「捕まえるから、虎を屏風から出してくれ」と言う頓知の一休さんのようなもので、自分で何かをつくり上げるんだっていう意識が足りないんです。企業側からすれば少々物足りない。「アナタはお膳立てがなきゃ何もできないの?」ということになる。でも、前向きで決断力がある人は、虎は自分で出そうとします。管理職層、マネジャークラスなら、こういう積極的な資質の持ち主のほうが転職しやすい。

 【A】前向きと慎重の二面性を演じ分けられる人、けっこう知ってますよ。企業には黎明期、成長期、成熟期、変革期の4つのステージがありますが、このタイプは変革期の企業で活躍します。V字回復が必要なときで、トップにはアグレッシブなメッセージを発信し、疲弊している現場には対話と調和を重視する方向で取り組むんです。

 こういう“二重人格”タイプには2つ特徴があって、まず昔は“出る杭タイプ”だったこと。上司に「ふざけんな」と食ってかかったような人が多い。もうひとつは、若い頃に海外に出ていること。日本の常識が通じない世界で「えーッ!? こんなのがありなのか」と「え!? (日本では常識の)これって無意味なのか」の2つを体験し理解しています。そういう人が年齢を重ねるにつれて段々と練れていって、二重人格というより賢さで振る舞いの見せ方を変えることができるんです。

転職を繰り返す今の若者が抱える不安